1

5502

大阪市営古市耐火構造共同住宅団地計画

大阪市建築局住宅課 久米建築事務所

団地の中心部にコミュニティセンターを設け日用品を売る店,郵便局等を置く方針である. 水塔3基のうちの1基はコミュニティセンターの塔内に納めたいと思ったが,この建物が昭和30年度に廻されたので同型の塔が3基たつこととなり,全体の調和を破る恐れが生じた.

施設の性質▲

▲Cセンターを設ける方針だが延期された


2

5509

川崎にある鉄筋コンクリートのアパート

建築綜合研究所(RIA)

片廊下にすることによって生じる面積の多少の増加,メンテナンス,風雨,プライヴァシイの問題が欠陥として取り上げられる一方,今まで薄暗く置き去りにされてきた階段や廊下が,この形式をとることによって一ブロックのコミュニティの場として居住者に提供される空間の価値の高さも評価され,さらに階段を構造上切り放すことにより,グリッド構造の純度を増すという点も確認された.ついに選択に委ねられ,公社としても可成りの決意で片廊下を認め,また私共としてもできる限り,これらの欠陥を失くするために技術的に考慮をはかることを約した.

住民のまとまり・連帯△

△片廊下のCの場としての価値が公社に認められた


3

5509

鉄筋コンクリートのアパートメント

黒川

久米建築事務所

大阪市営古市団地計画について

第3期としてコミュニティセンターを含む住宅40戸が予定されたが割り当て戸数の関係上本年度は中止されたので団地全体の完成は若干の延期を余儀なくされた. 共同施設としてのコミュニティセンターが延期されたので団地としてその技能上不十分なものとなっているが,民営の商店,共同浴場などは団地の建設工事が始まると直ぐに附近にたて始められ,共同浴場は団地西側に立派なものが営業を開始している.

施設の性質▲

▲Cセンターが延期されたが団地は機能している


4

6803

坂出市人工土地

大高正人

PAUをもとめて

ウルバニスムと建築が統合されるときにはまた新しい構築物の名前が生まれるかもしれない.このように統合とは単なる結合ではなく,新しい概念の創造なのであり,PAUは創造のためのシンボルだったのである.われわれは今,千葉県立図書館や,栃木の県庁舎でPAの統合を試みている.いずれも新しい都市空間との結びつきを考えPAUの統合に発展する可能性を準備しつつある.また新しくはじめた広島の基町再開発でも超高密度開発あるいは捨て開発という触媒概念を梃子にして,1万人の市街地のコミュニティをひとつの連結した空間に組み立て,PAUの統合を試みたいと思っている.

都市空間■  

■1万人のCを組み立てPAUを統合したい


5

6803

桜台コートビレッジ計画

内井昭蔵

傾斜地利用の集合住居

斜面の空間特性 斜面は都市の住環境にとり,かなり本質的な装置ではないかと私たちは考えている.つまり斜面におけるハウジング・システム,ならびにコミュニティ・プランニングが新しい都市の生活環境をつくる可能性を持っている.新しい住環境は各住戸の独立性(プライバシー)と連帯性(コミュニティ)とを同時に満足しなければならない.このため斜面は自然との対応関係を密接にし,視覚的統一によるスペースのコミュニケーションを容易にする.地形になじませるような建築物のレベルの設定は,自ずと集合形態に変化をもたらしアプローチの多様性,地域社会の全体像の把握を可能とする.



空間の性格▲

空間の性格▲

1▲斜面,住戸の独立性と連帯性,多様性,地域社会を認識  

敷地全体にプライベート・スペースを配し,それぞれのプライベート・スペースの見合うところにコミュニティスペースを構成することにより,独立性と連帯性を確保することを主眼とした.

空間の性格▲

2▲Cスペースによる連帯性の確保を主眼

今日コミュニティを形成する重要な要素は子供であろう.通路と階段は循環させ,広場を視線の集まるところに配置し,安全なしかも子供にとって魅力あるスペースを確保した.

住民の連帯性△

3△C形成に重要な子供に魅力的な外部空間を確保

さらにパブリックスペースは,エントランスとアウトドアリビング(テラス)によってコミュニティー・スペースに連絡している.

空間の性格▲

4▲PスペースはC・スペースに連結  


6

6808

大阪における面開発市街地住宅 住吉団地

日本住宅公団大阪支所計画部

計画方針: この用地は工場跡地であるため準工業地域の南端に属するが,周辺はその大半が住居地域であり,個人住宅・社宅・寮・民間アパート・文化住宅などの密集する成熟した市街地を形成している.これら住宅は大正末期に開発されたもので,街区単位の公共施設,コミュニティに対する配慮に欠け,とくに小公園などの適当な遊び場・緑地が少ない.

地域・住環境■

■周辺地域はCへの配慮に欠け公園等が少ない


7

6905

広島市基町団地

藤本昌也

大高建築事務所

このように都市的な利便施設が団地の中心にあたるオープンスペースに計画的に集中的に配置できることは,住民にとって利便性を増すだけでなく大多数の住民にとって見通しのきく位置にあることからも,団地住民のお互いの出会いの場を提供することにもなり,住民のコミュニティ意識を自ずと育て,このオープンスペースは基町団地の核的存在となるであろう.いずれにせよ高層アパートによって形成される巨大なマスと周辺地区の環境の上での連続性の問題は今後の設計においても重要な課題のひとつとなるであろう.

連帯(意識)△

△利便施設の集中配置→出会い,住民のC意識


8

6905

桜台ビレジ

内井昭蔵

開発拠点としてのマスハウジング

桜台ビレジにおけるいくつかの提案のうち最も重要なテーマは,プライバシーを確保しつついかにコミュニティ・都市に対する認識を付加するかと言うことであった.

地域・地域社会★

1★テーマ:プライバシーかつC・都市に対する認識

桜台ビレジの環境調整装置としての空間構造は,連続するコミュニティ・スペース(各次元のもの)を内包し,それらが次第に成長するものとして設計されている.
私たちは,コミュニティスペースを,住居に取り囲まれたものとして考え,その主な機能として,子どもの遊び場・出勤やショッピングのための通路・緑の散策の小道などを考えた.そこで周辺の人びとが接触し,見合い,集まり,交差し,遊ぶのである.そのためには様々の装置が必要であり,空間が限定されなければならない.またこれらは必ず連続する形態をとらねばならない.そしてこのコミュニティスペースが各住戸を結合し,マスハウジングの新しい人間関係をもたらすものになるよう期待している.

空間の性格▲


空間の性格▲




空間の性格▲

2▲Cスペースの空間構造に人間関係を期待

 

拠点は連続するコミュニティスペースを内蔵するとともに,あわせて都市の便利さをももたねばならない.私たちはショッピングコリドール(ショッピングストリートのネットワーク)を考えた.店舗構成も地域の発展に伴い,変えられるようになっている必要がある.環境調整装置は,このようにコミュニティスペースや,都市諸機能の複合体として存在し,都市と建築とを結ぶ.これを私たちは超建築と呼んでいる.

空間の性格▲



空間の性格▲

3▲Cスペース,都市諸機能の複合体が都市と建築とを結ぶ

 

斜面の広場,立体的なサーキュレーションをもつ通路の配置,ショッピングコリドールと,住居の分離などは,この斜面利用の結果生まれたものである.しかも各住居の眺望が広く取れ,互いに見下ろす緑豊かなコミュニティスペースを生み出すことができた.




空間の性格▲

4▲斜面の効用の1,緑豊かなCスペース

私たちはこのような意図と方法で,マスハウジングの設計を進めてきたが,これらに対して居住者相互の申し合わせがプラスされることを望んでいる.
色彩制限,洗濯物の干し方,子どもの遊ばせ方,植物の保護育成,塵芥処理など,共同生活にとって最低限の作法を居住者自身が作り出すことによって,マスハウジングが成り立つと考えている.
コミュニティスペースを生かし,育て上げていくのは,居住者自身である.







空間の性格▲

5▲+申し合わせ希望.Cスペースを生かし,育て上げていくのは,居住者自身

 

 


9

7011

桜台コートビレジ

内井昭蔵

環境装置しての集合住宅

桜台コートビレジは,ある面ではオープンスペースをつくるための空間装置であり,また個体を維持していくために必要なエネルギー装置でもあり,そして人々がそこで生活するために必要なコミュニティ情報や各種広域情報の受容装置であり,生活の変化に対応する代謝装置でもあります.



地域的な限定☆

 

1☆環境装置しての集合住宅>C情報受容装置

私たちは,桜台コートビレジのオープンスペースを斜面と建築で構成しましたが,そのオープンスペースこそ自然と人間とを結びつけ,また自然を媒介として人と人とを結びつけるものとして,重点的にデザインしたところです.

A案 ・土地から住戸を離す
   ・通路のネットワークによる新しいコミュニティの形成
   ・プライバシーの確保と日照調整
B案 ・斜面利用と経済性
   ・架構計画の検討
   ・地中梁(大架構)に段状のスラブをかける方法
C案 ・地形との適合性との検討
    (擁壁と建物の一体化)
   ・コミュニティ・スペースの豊かさ
D案 ・居住性
   ・日照(斜面に対して45度振る)
   ・コミュニティ・スペース,擁壁,設備配管の一体化







住民の連帯△






空間の性格▲

 

2△▲オープンスペースが自然と人,人と人を結びつける


10

7111

都市住宅の再構築

菊竹清訓

都市住宅の再構築

集合住宅におけるコミュニティの欠落はつとに指摘されるところであるが,計画の段階におけるコミュニティへの配慮なしにはいかにその必要を叫んだところで確実なものとはなり得ない また厳しい現実の条件に流された計画も,今日の住生活への手掛りとなることはできない 現実の中で明日を求める姿勢こそ,建築家の取るべき道である 
この特集は,菊竹清訓建築設計事務所が1965年のペアシティ計画以降,同地域に建設が予定され,実施計画が行われたいくつかの集合住居,およびペルーの国際コンペを通して考えられた集合住居の“かた”と,それらいくつかのプロジェクトを通して貫かれているコミュニティ回復のための具体的提案であるセミパブリックに焦点を当てて紹介するものである.セミパブリックは集合形式に従ってその形態は異なるが,いずれも集合住居の中で,人間同志のふれ合いの場をもつための具体的手段として,近隣単位に共有空間をとろうというものである.今後のコミュニティづくりはこうした提案が出されることによって,進展がみられるのではなかろうか

住民のまとまり・連帯△
住民のまとまり・連帯△






住民のまとまり・連帯△




共・集住体★

1△★この特集は,C回復のための具体的提案

 

5層分,20~50戸をひとつの単位としてその共有空間を作り,その単位に必要なパブリックの要素をそこに設備してコミュニティの物的側面を形成する.


物的+社会的まとまり★

2★住戸群単位とCの物的側面の形成

M計画におけるコミュニティプラザはグリーン体系,ショッピング体系,交通体系の3つから成り立っている.(中略)そしてややもすると地域を分断してしまう板状住居の動線の要の部分に,ショッピングプラザ,そして公園へと通り抜けの道を計画し,地域の分断を避け,地域住民の利便を図り,地域住民が積極的に参加できる拠点となるように計画されている.

施設の性質▲

3▲Cプラザはグリーン・ショッピング・交通体系からなる

1モデュールで自立できる環境として考えた場合これを数列構成して1コミュニティとする.1コミュニティは20戸くらいで,それの決定は子供とか老人を通じての交際ができる範囲,あるいは共有意識の強弱で幾分違った数となる.


住戸群の単位■

 

4■1Cは20戸くらい,交際範囲・意識で前後する

全体の中で東西と南北の通過交通が交わる中央の部分はもっとも高いアクセシビリティがあると思われるのでこの部分にコミュニティ・センターを置いた.コミュニティ・センターは敷地内の情報センターに当たるもので,より広域的に見れば他の敷地のコミュニティ・センターと一段上のレベルでネットワークを組んで相互に影響しあうことが意図されている.


施設の性質▲

5▲交通の中心にCセンター,広域的な相互の影響を意図

また1階のピロティは,分断されがちな広場をつないで,明るく開放的な流れを生み.より高次のコミュニティへの発展を促すだろう.


社会△

6△ピロティ→高次のC

一方,内部のコミュニティスペースは,通路を軸とした平面的な広がりとして捉え,要所にアルコーブ・テラスなどのふくらみを持ち,共有の応接間,娯楽室として,豊かなコミュニケーションを触発する場となる.網状セミパブリックは少数世帯の共有であることと,そのスペースの独立性の故に,内部の変更や共住者の選択に関する意志決定に参加しやすい.コミュニティの基盤である住民参加は,この小さな空間をコアにして発展するだろう.

施設の性質▲




近隣社会△

7▲△内部のCスペース→コミュニケーション,住民参加のコア

敷地をまったく細分化し,共有空間を残さずに分割してしまう分譲宅地の方式からは,新しい共同体の生まれる可能性はなく,コミュニティもまた本来の意味でのコミュニケーションが生まれる余地もない.


連帯性△

8△共有空間なしに共同体,C,コミュニケーションは生まれない


11

7202

臨海公園住宅の提案

高層住宅研究会

臨海公園住宅の提案

現代都市の人口増・2,3次産業人口の増・人口集中という都市圧を新しいコミュニティの形成に導きたいと思っている.
(中略)
ハイマートがひとりびとりの心に視覚的なイメージとして刻まれてきたことを思うと,新しい人間環境に芽生え育っていく連帯感の形成は,建築家の役割と節度に強く依存しているに違いない.


集住体+連帯感★

 

1★現代都市の人口圧をCの形成に導きたい

コミュニティ階の提案
上下各3層から容易に利用できる共有階として,洗濯室,幼児のプレイロット,ロッカールームを含む近隣コミュニティ生成は低層住区におけると同様に重要といえよう.

空間の性格▲

(機能的・社会的)まとまり△

2▲△C階という共有階の提案

商業施設は次の3段階構成をとる.
中心地区センターにはコミュニティ型のショッピングセンターが設けられ,最寄り品および身回り品に加えて諸サービス業がそろっている.


施設の性質▲

3▲商業施設の段階構成

住区施設計画
(中略)個々ばらばらでなくサブセンター形式に計画されることによって,住区内の核として日常生活におけるコミュニティの場となる.


連帯・交流△

4△住区施設集中によりCの場となる


12

7206

三田ハウス

藤倉忠夫

葉建築設計事務所

区域内での近隣に対する関連の仕方は将来の周辺環境改造を待つまでもなく,都市的体験としてのコミュニティ空間をどのように造出するのかという点で重要な意味を持つ.周囲環境に対して防御するあまり,都市生活機能として社会性をもつショッピング,診療所などを建物内に内部化させ,近隣に対して閉鎖的な空間計画をすることは,近隣からの疎外感を高めるだけでなく,規模の利益を基に定着するそれら施設そのものにとっても地域から受ける開発メリットを半減させるものであろう.


空間の性格▲

▲閉鎖的空間計画の心理面・施設面のデメリット


13

7212

枚方紳士服団地

福家 後藤

竹内建築事務所

(設計の第1案は)工場区と住宅区とをコンクリートスラブで完全に分離して少しでも良好な住環境を,さらにはデザインされた人工スラブの上にひとつのコミュニティを設計しようと考えたのである.結局これは,土地の区分所有の難しさと,コンクリートの共通広場というとこへの抵抗とで不採用になった.(中略)しかし今から見ればこのような考え方自体が悪しき合理主義にとらわれていたのだと思う.



共同体的集住体■

1■C設計不採用は尤も,悪しき合理主義

 

この集合住宅の最大の特徴は,職住が一体という形態である.ここでこの住集合のコミュニティといったものを考えるとき(ぼくにとってどうしても幻想としか思えてならないその言葉にとまどいつつ,しかしどうしてもそれを信じざるを得ない気持ちであったのだが)千里ニュータウンのそれよりもかなり異なったものであるように思われた.ぼくにはそれが千里の場合よりももっと人間の原点に近いものであり,もっと真実味のあるコミュニティが存在するのではないかと言った期待感というものがあった.


コミュニティというもの☆

2☆幻想かと思いつつ職住一体は真実味のあるCを期待させた


14

7503

パサディナハイツ

菊竹清訓

遠い都市住宅への道

こうした問題を捉えてコミュニティの立場から1965年に住宅都市の計画ペアシティを提案した.これは拠点とネットワークの計画に基づく,チャンネル開発方式をコミュニティ開発のために新しく提案したもので,このチャンネル開発方式を東京西部の東京多摩丘陵地帯1500ヘクタールの開発地域に適用した計画を同時に発表した.(1966.04)また住宅拠点としてコミュニティのあり方を共有空間を軸とすることで推進すべきではないかとして提案し,これを幾つかの都市住居の「かた」として発表し,集合の意味,住宅と住宅環境との関係を問い直してきた.(1971.11)
このいずれの中にも段状住居が含まれており,考えはじめて15年,発表して10年になる.日本の土壌・土質と起伏の多い丘陵地という地理条件と,庭園都市という構想は,いつかどこかで段状住居として交差するはずのものであり,スタディを続けておきべき課題であると考えてきた.
そして生活と空間との断絶を埋めたい,コミュニティをつくろうという希望の噴出が,我々の提案を必要とする時期であると考えてきた.そのためパサディナ・クラブが,まさにそういう希望を表明されたとき,私は直感的に段状住居実現の機会がきたことを悟ったのである.

不明☆

地域・社会★


地域社会・集住体★








共同体・集住体★

1☆★ついにCたる段状住居実現の機会がきた

住人が決まり,それぞれの生活リズムが定着し,コミュニティ生活がにじみでるまでには,1/4世紀ぐらいは必要とするかもしれないと思う.

ひるがえって果たしてこのコミュニティが,住環境としてひとつの成果をつくり出せるようになるまでには,どのくらいの年月がいるのであろうか.私には全く予想もつかないことである.
コミュニティづくりが難しい理由はいろいろ考えられる.たとえば,(1)日本ではコミュニティがもともと成立していないし,民主的土壌がまだ十分でないという意見もある.もっと積極的に,地縁的コミュニティの存在理由は,今日無くなってしまったというような意見さえある.そういう中で共有空間をひとつの手がかりとして,コミュニティ環境をつくろうとする考えは,あるいは無謀な試みであるかもしれない.実りのない実験であるかもしれないと思う.しかし既存都市の中に残る調査に見られたコミュニティの根を私は信じたい.

協同的(生活)△



集合住宅■


社会△
共同社会△


環境の性質▲


地域(共同)社会△

2■▲△Cの実現には年月がかかる,否定論もあるがCの根を信じたい

(3)120戸という集合住宅の戸数規模の妥当性の問題がある.これで果たしてどれほどの共有施設を負担でき,共有をどれくらい拡大していけるか,これがコミュニティとして,わが国にあって適切な規模となりうるであろうか,そうした問題がある.現在,最下階にコミュニティホールが仕上げをしないまま,スペースが確保されている.



共同体・集住体★
共用(ホール)▲

3★▲120戸は共有施設面でCの規模として適切か?

段状住居の南側最下層部分に,共有空間の核としてコミュニティホールがある.コミュニティホールは,住居の応接,会議室,娯楽室で,この集合住居の生活環境の企画,運営,管理のコミュニティの核となる空間である.今後,コミュニティの希望に応じてさらに洗濯室乾燥室,パントリー,厨房,子供図書館などの増設ができる空間が用意されている.

共用(ホール)▲

住民の共同社会△
住民□

4▲△□共有空間の核としてCホール,さらに共有を増やせる


15

7503

御殿山ミント

片山

トリアド建築設計事務所

複雑な諸要因で,日常の都市生活の中に作り出すことの困難な,理想のコミュニティを実現したいと考え続けた.そして,それは週休2日制などの普及によって,変化していく生活のリズムの中でのリゾートコミュニティとして考えられた.
リゾートコミュニティとは,生活環境をあわせもった性格で,生活環境に密着したものでありたいと考えられる.このリゾートコミュニティで,いろいろな都市生活をもった,さまざまの職業の人びとが,個人個人の生活をもち,さらに集団としてのつながりを生みだして行けたら,と考えている.


社会・空間★
集住体■

 

1★■生活に密着した理想のリゾートCを実現したい

(まず場所の選定にあたって検討されたことは)
3 コミュニティ施設
 レクリエーションスポーツ(ゴルフ場・レジャーランド・スケート場・プール・公園)
 ショッピング(スーパーマーケット・レジャー洋品店レストラン・スナック・日用品店舗) 
 衛生関係(ゴミ処理・上下水道・通信・電話)

さらに近隣にはコミュニティ施設もあり,ほぼ理想的なリゾートコミュニティの各種条件をみたしていた.


公益(施設)▲







集住体■

2▲■敷地選定条件としてC施設

車はコミュニティ内へは入れず,歩車道は完全に分離する.

集合住宅の領域■

3■歩車道の分離

建物へのアプローチは2カ所に取る.小川に隣接する管理棟の前を通り抜ける通路と,3ブロックの西側と高架水槽タワーとの間にあるスロープのアプローチである.このスロープはコミュニティ広場へと続き,広場からさらに3つのブロックの間の道へと連絡している.
広場はコミュニティの核として,人間的な接触の場として,人びとのさまざまなつながりの生まれることが期待される.

空間の性格▲

 

4▲広場に人々のつながりを期待

今回は諸条件から,全体計画のうち,第1期計画のみ建設されたが,全体計画が完了することによって,単なるリゾート団地でなく,充実したリゾートコミュニティとなることを願っている.

目指すべき集合住宅■

5■充実したリゾートCを願う


16

7503

鷺宮ガーデンハウス

桑原三郎

住友不動産建築技術部・戎工務店

共用のパブリックスペースと駐車場との混在が生じた.これははなはだ残念なことであったが,このことによるオープンスペースの質の低下を危惧し,ここにコミュニティスペース,プレイロットとしての効果を意図し,カラー平板を敷きつめ,各戸の庭回りは生け垣を回らし足元をレンガで立ち上げた.



空間の性格▲

1▲駐車場・共用スペースにCスペースとしての効果を意図し,外構↑

 

このようにぎりぎりの条件の中で最大の質を得ようと努力したつもりだが,果たして我々が意図する新しいコミュニティがそこに存在していくものか期待し,またつぎの計画への指針としたい.


住民社会・連帯△

2△意図するCを期待し,次への指針としたい


17

7503

田園調布CIマンション

恩賀宗一郎

竹中工務店

歩道から玄関に通ずる小空間はそこに住む人びとのコミュニティの場となるように考慮している.

連帯・交流△

△歩道→小空間→玄関はCの場として考慮


18

7503

内なる空・/世田谷・集合住宅

富永譲

「内なる空・/世田谷・集合住宅」に関するノート

<2.7m×2.7mの部屋+流し+便所>といった人間にとって最小限の住居を,直接外部の環境に繋げることは考えられなかった.そうした部屋と都市的な圧力との間には,その接触する地点で住居はもうひとつの空間を要求する.その必要は“その空間はどのように使われるのか,その場はコミュニティの感覚を喚起するか否か”といった,生活に対する計画の問題とはまったく別のものである.





連帯性(の感覚)△

△緩衝空間は生活に対する計画とは別


19

7603

フランシスコ・ヴィラ

木下恒之

高齢者福祉―その住空間

1戸1戸が独立した住居であるという観点から,食堂,浴場などの施設とは別に全戸に中央給湯式のユニットバスやキチネットを設備した反面,閉鎖性,孤独感を廃し,社会としての連帯性を図るために,経済性から考えると不利なスペースである共用部分を50%近く採り,屋内の公園としてのコミュニティゾーンの充実を図った.





空間の性格▲

1▲共用部分Cゾーンの充実を図った

この住居が高度な理念を支えられた福祉施設なのか,ただ単に老人のための高級マンションにすぎないのかはこの建物の運営とサービス精神がいきいきと作用してひとつのまとまったコミュニティとして躍動し始めたときに判明することになろう.



共同体(社会・住空間)★

2★単なる高級マンションでないCになるだろう


20

7603

覚王山レックスマンション

渋谷義宏

青島設計室

この建物は,敷地の環境その他諸条件から経済的に余裕のある人を対象として企画された.28戸の住戸単位はコミュニティをつくるには良い条件にあり,住まい手によってコミュニティは決まるとしても,対話できる場の設定はぜひ必要であると考えた.この種の建物は,周辺の住戸と住まい手の経済的な格差が生じた場合,特殊な環境をつくりやすく,孤立しやすいので,外部環境に対しては,できるだけオープンな状況の設定をしたつもりである.オープン化したバルコニーとリビングルームは,住まい手のふれあいと親しみを生じさせるであろうし,それは住戸間のふれあいにつながると思う.


住民の連帯・まとまり△
住民集合(の性格)□

△□28戸はCにはよいが,対話の場は必要


21

7603

県営住宅宇多津団地 U-11~26号棟

山本忠司

ここで行なわれている方法は,ひとつの空間を4戸が共有することによる空間の有効利用を計ること.そのことは,すなわち,精神的なことを含めたまとまりでもあり,団地という集落,もしくはコミュニティ編成の過程のなかで,棟別という単位ではなく,4戸のブロックごとの住戸単位として置きかえられている.



空間・人のまとまり★

1★4戸のブロックごとの住戸単位,精神含めたまとまり

一般的な連続住宅に比べて,明らかに閉鎖的なこの4戸建ブロックタイプについての問題は,外部空間の捉え方と,コミュニティ形成のための道程としての4戸ブロック単位の個々についての連結性についてである.それには,1階にある4つの空間を通じての空間的な継がり,あるいは,広がりにある.したがってこれらの空間は将来共に残して置いたほうがその意味でより有効であるが,内ふたつは閉鎖される運命にある.


空間・人のまとまり★

2★閉鎖的なブロック単位の連結性の問題


22

7603

大倉山ヒルタウン

毛利武信

この計画は自然の起伏に富んだ丘陵地と周囲の景観とに融合することと,さらに,次の諸点を設計テーマとした.
1 傾斜地利用の独立性を高めた低層集合住宅の開発
2 自然緑地,公園を中心とした水の広場の設定
3 豊かな生活空間の発展
4 広場と路によるコミュニティの発生






住民の連帯性△

△テーマ4:広場と路によるCの発生


23

7603

忍ヶ丘クレセントヴィラ

遠藤剛生

独立住宅の本質は自然とより多く関われるところにも存在し,太陽であり,光であり,風である.これらはまさに自然を分母とする住宅本来の姿であり,集合住宅の個にあってどこまで自然とかかわり合えるかが基本となろう.決して個の人工環境化の流れを容認してはならない.全体のなかに位置する個の概念はこのような概念でなければならない.
また一方,集合の価値は独立住宅が獲得できないオープンスペースと集合によって生まれるコミュニティと,全体的な形態の面白さなどである.これら環境構成要素の集合の数と関わり,数を増すほど充実する外部空間を形成することも可能である.しかし,集合の価値を認識せず量的拡大のみに終始するならば,画一的な形態のみが表面化し,個と全体の調和は保ち得ない.








住民の連帯など△

△個と全体の調和には集合の価値(含むC)の認識が重要


24

7607

茨城県営水戸六番池団地

藤本昌也

住環境設計のための基本的課題

<問題へのアプローチ>
住環境設計のあり方をできるだけ包括的に捉えていくために,われわれは以下に示すような3つのアプローチを設定,その各アプローチから固有の課題を引き出し,その総合的な解決を求める中に住環境設計のあり方を探るという方法を取ってきた.つまり,第1のアプローチは住環境を住空間の立場から捉えていくアプローチであり,(中略).第2のアプローチはコミュニティ空間の立場から住環境を捉えていくアプローチであり,そこでは1)コミュニティ空間の高度な演出,2)人車分離を基礎とした交通空間の体系化,3)自然環境の保全と,その住環境への効果的導入,という同じく3つの課題を取り上げている.第3のアプローチは住環境を都市空間構成の立場から捉えていくアプローチであり,







公的(空間)=空間の性格▲

1▲住環境設計のあり方を探るアプローチ,住空間,C空間,自然環境

(2 戸建て住居形態の変革 1戸建てからタウンハウスへ)
しかし,冒頭にも述べた日本の古い集落調査からの実感として,我々は日本人のコミュニティ空間の構成は,よりデリケートで連続的なヒエラルキーを持つ必要があり,住戸に直結する共同の<庭>は西洋型広場といった空間概念ではなく,先人がつくりあげてきた日本独特の広場,いわゆる<広小路>といった空間概念によって空間化されねばならないと考えているのである.



公的(空間)=空間の性格▲

2▲日本人のC空間は広小路型

 

4 コミュニティ空間の高度な演出
コミュニティ空間とは,街路,公園などのオープンスペースのみならず,学校,幼稚園,集会場といった施設空間をも含み住環境におけるこうした公共,公益的施設空間の総体を意味している.
格子状に張り巡らされた区画街路や,なんら脈絡もないままに配置される学校や公園といった今日の一般的な住宅地開発の計画に見られるその生活空間の無性格さに,我々は大きな戸惑いを禁じ得ないし,その住宅地からは,魅力的な生活の臭いを嗅ぎとることは不可能に近い.こうした事態は,コミュニティ空間に対して全く配慮を欠いている結果としかいいようがないのである.

公的(空間)=空間の性格▲

3▲生活空間の無性格さは公益的施設空間の総体C空間への配慮がないため

 

以上のようなコミュニティ空間に対する現状認識から,われわれは具体的なプロジェクトの中でコミュニティ空間の高度な演出を計るべく次のような目標を設定している.
1)まず現在の日本人の生活実態と生活感覚に裏付けられたものとして行う.
2)次にオープンスペースのみでなく,学校や幼稚園,集会場といったコミュニティ施設と一体化したコミュニティ空間のトータルな演出,つまり,コミュニティライフ総体の空間化を計ることによってコミュニティ空間を環境構成上の視覚的な骨格とし,住環境全体を“みえる”街とする.
3)コミュニティオープンスペースを,そのもつ機能的性格によってグルーピングを行ない,各グループの空間の段階構成を計りながら,なおかつ,デリケートな空間相互の融合,連続性を計る.
4)コミュニティ空間が,計画的に作り出される住環境と周辺の既存の住環境との調和を計る触媒的な役割を果たすものとしてその効果的施設配置と空間化を計るものとする.

公的(空間)=空間の性格▲




施設の性格▲
連帯的(生活)△


空間の性格▲


空間の性質(公的)▲

4▲△公空間の演出(生活環境,段階構成,融合,調和)

 

以上の課題の総合的な解決を図る手法として,われわれは<コミュニティ・ストリート>という空間コンセプトを軸にしたコミュニティ空間構成手法の開発を進めており,水戸六番池団地の第2段として実施に移された見和県営住宅地「W」プロジェクトや,群馬県草津町営団地「G」プロジェクトや,「M」プロジェクトなどは,すべて,<コミュニティ・ストリート>を中心としてコミュニティ空間形成のあり方を追求しているのである.

空間の性格▲
空間の性質(公的)▲

5▲CストリートというC空間構成手法を実施

 

(6 自然環境の保全と,その住空間への効果的導入)
問題は単に自然の緑地や地形を保全するにとどめるのではなく,自然がつくり出す緑地空間や地形の視覚的な骨格を,人工的につくり出されるコミュニティ空間と同様に都市空間における骨格的役割を果たすべく効果的,意図的に導入していくことである.(中略)「O」プロジェク」の場合は,ゆるやかにのびる丘陵地形の一部分を集中的に造成することによって,延長2km以上にも渡る連続した谷空間を創出し,それをちょうどゴルフ場のフェアウェイのようなのびのびとした牧草空間とし,その周辺に住宅地を分散配置すると同時に,公園などのコミュニティ施設を配置することによってコミュニティ空間が,蛇行する大河のごとき大緑地空間となることを最大のねらいとしているのである.「I」プロジェクトは,「O」プロジェクトと逆に,その地域特性から,団地中央部を集中的に造成し,周辺の独立峰的な山を保存する方式を採っている.そして,保存した山の間は,地形を効果的に利用しながら,近隣公園や小学校,中学校などのコミュニティ施設空間とし,自然の山と施設とを緑地空間として一体化させ,人工的につくり出された住宅地空間を取り込む大緑地空間リングをつくり出すことを最大のねらいとしている.
こうした緑地空間リングは,団地周辺の住民にとっては利用できるコミュニティ空間としても機能すると同時に,造成工事上も,土止め的な役割を果たすことから,極めて高い安全性を保証することになるのである.




空間の性質(公的)▲





施設の性質▲
空間の性質(公的)▲



施設の性質▲

6▲施設空間を軸とした大緑地空間を意図

7 既成市街地における住環境構成手法の発見
これまで住環境設計のあり方を,住空間,およびコミュニティ空間の観点から考察してきたが,(中略)
これらの問題は,現在われわれも参加する研究グループによって検討が進められているが,その研究グループが確認している提案の骨子は,人工土地方式導入によるリプレース手法と,地域全体の物的環境の骨格となるループ状のコミュニティストリートの創出にあり,その論旨は以下のように概括できる.(中略)

3)地域内に不足する学校,公園などの公共公益施設の整備は,まず,工場跡地,およびリプレースによって生み出される空地を効果的に活用することによって,地域全体を結びつけるループ状のコミュニティ・ストリートを創出し,そのストリート周辺に,学校,保育園,集会場などのコミュニティ施設を十分な空間的配慮のもとに配置する.
(中略)「K」プロジェクトにおいては,少なくとも近隣住区としてのまとまりを与え,公共公益施設を結んでコミュニティ空間の機能的,視覚的骨格の形成を計るコミュニティストリートの提案は,こうした現実の矛盾を物的に解消することを目的にしたものである.

(8 スプロール地域における住環境構成手法の発見)
3)その場合の物的環境としてのあり方,都市空間構成のあり方はゲリマンダー状のゾーンの形状の特性を逆手にとって,既開発ゾーンと接する未開発ゾーンの両翼に周辺と共同利用が可能な公共公益施設を配置し,コミュニティ空間のゾーンとし,新規開発地域と既開発地域との融合を機能的にも,空間的にも計っていくものとする.(中略)
5)既開発ゾーンの住環境整備の方向は,その地区ごとの状況により修復状況や再開発手法,区画整備手法といった手法によって進められる必要があるが,未開発ゾーンとの連携プレーによって,先にも述べたコミュニティ施設整備の肩がわりや,リプレース方式の導入などによって居住者の移転が効果的,円滑に進められる方向が検討されるべきであろう.


空間の性質(公的)▲




空間の性格▲




空間の性格▲

施設の性質▲


空間の性質(公的)▲
空間の性格▲






空間の性質(公的)▲

7▲市街地環境構成手法としてのCストリート・C空間

(<おわりに>)
またコミュニティ空間の検討には,住居以外の学校や保育園,商店などの建築施設あるいは公園緑地といったオープンスペースの個々のあり方の検討が不可欠であり,是非ともひとつひとつ手掛けていきたいプロジェクトである.


空間の性質(公的)▲

 

8▲C空間の検討には,住居以外の建築施設・オープンスペースの個々のあり方の検討が不可欠


25

7703

八雲テラスハウス

山中玄三郎

SDA:スペースデザインアソシエート

カーポートはコミュニティの場でもある.
広場をつくるほどの敷地はなくとも,交歓の場は用意すべきだろう.今回,北側車線制限で生まれた北面の空地をデザインすることによって,単なる通路や,カーポートとしてではなく,街路につながる小さなパティオをつくることができた.

住民の連帯性・交歓△

△カーポートはC・交歓の場


26

7705

目黒不動前マンション

内井昭蔵

住空間の同質的構造を求めて

積層化と空間特性との関連を考えてみると,一般的に言えることは低層から中層,あるいは中層から高層への移行の理由は,環境悪化の是正を計るためのものといえる.
この一定の環境水準の具体的な内容は,開発主体の基準によって異なるが,一般に日照条件,および公園率などによっている場合が多い.しかし同一の環境水準とされている低層・中層・高層の住空間が,それぞれ内容的には全く異なったものであることは周知の事実である.それぞれの積層化の度合いによって特性の差が生じているのである.この特性は”たとえば庭を例にとってみると.低層では“せまいながらも自分の庭(手作りの庭),中層では“広いコミュニティの庭”(参加する庭),高層では“公園化された庭”(ながめる庭)というように,キャッチフレーズ化するほどに一般化された概念になっている.この特性は,居住性,動線のあり方,住戸平面のあり方についても同様で,一般の居住者も,計画者も,それぞれの良さについての了解ができ上がっている.しかしこのように考えた場合,果たしてこの積層化特性をそのまま認めてよいものがどうか疑問である.

(低層→中層 中層→高層)

これら各積層段階における空間特性リストの項目は次のように分類することができる.
イ.利用(使用・行為)に対する制限(限定・禁止)としてあるもの
ロ.空間相互間の調和関係の喪失としてあるもの
ハ.自然環境とのつながりの喪失としてあるもの
これら各項は全く逆の肯定的表現をとるならば,
イ.コミュニティの秩序としてあるもの
ロ.プライバシーの尊重としてあるもの
ハ.環境の人工制御としてあるもの
となる.つまりこれらの特性は,集合化,積層化の当然の帰結として承認されてきたものであり,コミュニティの名のもと,プライバシーの名のもと,あるいは人工化の名のもとに見せかけの特性とされてきたものである.
私たちは,高層住空間の大地との同質性回復のための指針としてこれら類別に沿って次の方針をかかげたのである.










住民参加△















集合住宅■



コミュニティという言葉☆

△■☆積層化による見せかけの特性を廃すべき


27

7801

茨城県営水戸会神原団地

藤本昌也

コミュニティ空間形成の論理と実践

会神原団地における設計上のテーマは,一言でいえば“コミュニティ空間をいかにつくるか”であった.
建設戸数192戸,敷地約2haといった規模的条件からも,また市街化が急速に進行している水戸市郊外の一画に建設されるといった立地条件の点からも,コミュニティ空間のあり方を多角的に検討する上で格好のプロジェクトとなったのである.
ここでいうコミュニティ空間とは,階段や通路プレイロットといった共有空間,あるいは公園や広場,街路といった公共空間のみならず学校,幼稚園,集会所などの公益的施設空間をも含む住環境における広義の<公>空間の総体を意味し,我々はこうしたコミュニティ空間がわが国の住環境の中でいかに貧しくつくられているか,また,それ故にこそコミュニティ空間を豊かなストーリーを持つひとつの生活空間として高度に演出することが今日いかに重要なことであるかを主張してきた.さらにコミュニティ空間の高度な演出をはかるための具体的な当面の目標として,
1)日本人の生活実態と生活感覚に裏付けられたものとして行う.
2)オープンスペースのみでなく,学校や幼稚園,集会場といったコミュニティ空間のトータルな演出,つまり,コミュニティライフ総体の空間化を図ることによってコミュニティ空間を環境構成上の視覚的な骨格とし,住環境全体を“見える”街とする.
3)コミュニティ空間を,そのもつ機能的性格によってグルーピングを行ない,各グループの空間の段階構成を図りながら,なおかつ,デリケートな空間相互の融合,連続性を図る.
4)コミュニティ空間が,計画的に作り出される住環境と周辺の既存の住環境との調和を計る触媒的な役割を果たすものとして,その効果的施設配置と空間化を図るものとする.

空間の性格▲



空間の性格▲

空間の性格▲




空間の性格▲

空間の性格▲



連帯的(生活)△
空間の性格▲

空間の性格▲


空間の性格▲

1▲△テーマ:“C空間をいかにつくるか”(生活環境,段階構成,融合,周囲との調和)

以上,4つの目標を掲げ,さらに,これらの目標を総合的に達成しうるコミュニティ空間構成手法として,<コミュニティストリート>という仮説的空間コンセプトを導入,いくつかのプロジェクトを手懸けてきた.
会神原団地は,まさにこうした役割を持つ<コミュニティストリート>を中心にコミュニティ空間構成手法のあり方を追求した最初のまとまったプロジェクトである.


空間の性格▲


空間の性格▲
空間の性格▲

2▲C空間のためのCストリートという仮説を追求した第一弾

 

会神原団地のコミュニティストリートは団地の四隅に設けられたアプローチ広場を起点に団地内を対角線上にはりめぐらされ,(中略)
以上のような空間特性を持つ会神原団地のコミュニティストリートに期待している役割は,まず第1に団地周辺の人々も自由に団地内を通り抜けられるオープンパブリックな歩行者のための<みち>としての役割である.

こうした認識からわれわれは団地内のコミュニティ空間の骨格づくりを検討するに当たって,団地を含む100ha余りの近隣住区を想定,その住区の現況を詳細に調査分析,その分析を基礎に団地を含めた住用一体の街路網やコミュニティ施設のあり方を検討,地域一帯の住環境整備のための一枚のパイロットプランを作成してみた.
誰もが自由に通り抜けられ,開放的で親しみやすい歩行者路としての役割を果たす対角線状のコミュニティストリートの構想もこうした総合的な検討の過程の中から生まれてきたものである.コミュニティストリートに求められた第2の役割は段階的に構成されたコミュニティ空間を全体として秩序立てていく骨格的触媒的役割である.会神原団地のコミュニティ空間は3段階に大別され,第1段階が向こう三軒両隣りとなる6住戸が作り出す路地状階段一体のアクセス空間で,セミプライベートな性格をもつ.第2段階は40~60戸の住戸群がつくり出す遊び場としての中庭空間で,セミパブリックな性格を持つ.第3段階がそれらのオープンスペースの独立性を保ちながらも相互に結びつけ,屋外空間の全体性を実現する一方,住戸群による新しい連続した街並み景観をつくり出す<みち>としてのコミュニティストリート空間で,パブリックな性格を持つ.
殊に,コミュニティストリートの中間地点に設けられたクルドサック広場は第1義的には郵便車と歩行者の分離を図る機能的装置として構想されたものだが,同時にその広場は40~60戸の住棟群のグループにとっては表玄関に当たり,広場と一対をなして設けられている集合郵便受や案内板を装備したインフォメーションボックスは各グループにとって視覚的ゲートとしての役割,つまりコミュニティ空間における領域感を高める重要な空間装置としての役割を果たすものとして構想されたものである.

空間の性格▲






空間の性格▲


施設の性質▲


空間の性格▲

空間の性格▲

空間の性格▲





空間の性格▲

空間の性格▲




空間の性格▲

3▲歩行者路,段階的領域構成としてのCストリート

コミュニティストリートに期待される最後の役割は,一定の場に集まり,共同して生活することの意味を空間として問いかけることにある.
集会所とシンボルとしての石の塔とのかけあいによって空間的緊張関係をつくり出したいと考えた中央広場はこうした問いかけの集約化された場といえるだろう.コミュニティ空間がコミュニティ生活総体の空間化である以上,コミュニティ空間をいかに作るかと問うことは,コミュニティ生活の意味,その思想を問うことと同義であろう.しかし,今日の状況の中でこうした共同生活の本質を問うことがいかに困難なことか.だが,それでもなお問い続けなければならないし,憶断と偏見を恐れずに答えを探らねばなるまい.いま,われわれは<大地性の回復>なる仮説的な誘導概念を用意し,これらの答えを探る手だてを見出したいと考えている.<固有の自然的,社会的歴史条件>をまるごとのみ込んでいる固有の大地に根ざして生活すること,つまり,人々が大地との連続性を回復-大地性の回復-する時,人と人とが結びつく根源的な契機を獲得するであろう.そして,こうした大地性に徹底的にこだわることをコミュニティ空間の空間化への出発点とすべきだと考えているのである.中庭を持つ集会所と中央広場を向かい合うかたちで対置し,一対の石の塔(会神の塔)が二つの空間を結びつけるといった空間表現も,会神原団地におけるコミュニティ生活の日常性と非日常性を大地性をテコに見事に止揚しコミュニティ生活の総体を空間化したいと願ったからに他ならない.

ストリート機能図(コミュニティ空間の段階構成)

かつて,鎮守の森や社の境内は,コミュニティの聖域として地域住民の生活と深くかかわってきた.われわれはこうした聖域を現代に復活できないものかと思う.

空間の性格▲




空間の性格▲連帯的△
空間の性格▲
連帯的(生活)△








空間の性格▲


連帯的(生活)△
連帯的(生活)△


空間の性格▲

地域社会△

4▲△生活の意味を問うシンボル,聖域の復活

会神原団地のコミュニティ空間を特徴づけるのは,周囲の人びとのパブリックな<みち>としての機能を合わせもつ4カ所のアプローチ広場を起点として対角線状にのびる4本のコミュニティストリートである.

空間の性格▲

(3に含ませる)


28

7810

ガーデン目黒

清田育男

TRIAD

住戸で囲うことにより得られる空間は囲うものの共有の場としてつくられる.またそこに共用の機能を持たせることにより,この場が共有意識の高まった集合住宅のパブリックスペースとなる.街区から住戸へと移行する共用スペースの中の変化ある場としてつくられる.『ガーデン目黒』の場合,囲み型配置からつくられる中央のスペースがその場になっているが,街路から導かれる歩行空間はここで膨らみ,ここから各住戸の階段へと分かれていく.ここは共有意識の持てる場であるがコミュニティというようなスペースのよどみはない.街区から住戸へと連続するパブリックスペースのひとつの空間として機能している.中に植えられた緑はここの空間の雰囲気を高めるのに役立っている.








空間の性格▲

▲ここはCでない共有意識の場


29

7810

ベルエール芦屋

竹延邦義

竹中工務店

このような芦屋の良さを少しでも現代に甦らせるためには,まず住む人々に愛される環境をつくりたいと思いました.きめ細かなひとつひとつの小さな行為の積み重ねによって何気ない街角の風景や建物,1本1本の樹木に愛を注ぎ,自然への愛は隣人への愛となって住み良いコミュニティが形づくられていくことを念じました.そのために,建物は近隣に対して,威圧感も抵抗感もない存在になることが大切だと思いました.そこで建物を一住戸毎に形態的に分割することによって,スケール自体が,ヒューマンな町並みとなり,町の光景としても違和感のないようにと配慮しました.





住環境■

■愛される住環境づくりとスケール分割,町並み


30

7811

茨城県営三反田団地

増山敏夫

現代計画・柴 設計共同企業体

六番池から三反田へ

住棟間によって作り出される外部空間はここでは3段階のコミュニティ空間によって構成されている.左右住棟間に挟まれた路地状部分が第1段階,前後住棟間によってできたみち空間(コミュニティストリート)が第2段階,コミュニティストリートによってグルーピングされた住棟群相互にはさまれたオープンスペース(コミュニティコート)が第3段階となっている.
(中略)
第2段階であるコミュニティストリートは,前後の住棟間の設けられており,露地と交差し,前後の住棟をストリート沿いに結びつけていく役割を持つ.ここ(第1工区)では3本のコミュニティストリートのうち2本が両側のサービス道路に結ばれ,その交差点4ヵ所にそれぞれ団地の入り口となる,明るいガラス屋根の門(左右の壁に集合郵便受け,案内板掲示板が取付けられている)が設けられており,門の内外で人と車の分離をはかっている.コミュニティストリートの南側は,会神原団地で成功した1階居住者が自主管理する庭(会神原では花だん,菜園などに活用されている)を設けて,ストリートに彩りが生れることを期待している.(中略)
第3段階であるコミュニティコートは前2者が住棟に挟まれた線的な空間であるのに対し,面的な広がりをもつオープンスペースであり,コミュニティストリートによってグルーピングされた住棟群に適度に節をつけつつ,遊び場憩いの場を提供し,一方で団地全体を有機的につなげていく媒体として計画されている.コミュニティコートには樹木を植え,ゆるやかな築山や,砂場を配し,間伐材を縁石に利用した園路,敷瓦の段状広場,ベンチなどが設けられている.また,第3工区には農業用水路を引き込んだ疏水も計画されている.

空間の性格▲

空間の性格▲

空間の性格▲


空間の性格▲

空間の性格▲



空間の性格▲



空間の性格▲
空間の性格▲


空間の性格▲

▲3段階のC空間=路地,Cストリート,Cコート


31

7912

芦屋浜ASTM

川口順弘

ASTM企業連合

高層集合住宅を工業化工法によって生産し,団地として構成するための基本的な考え方として,エレメントとジョイントを組み合わせたひとつの集合を段階的に発展させていく団地構成システムを採用した.
最小単位である住戸を第1段階のエレメントとし,これを結ぶジョイントとして二つの階段室と共用階によって17戸の住戸が第1の集合として形成される.この第1の集合は,構造・設備・防災避難などの住棟における基本単位となるとともに,共通の施設を共用することによって構成されるコミュニティの基本単位である.この第1の集合を所要の規模に応じて重ねることによって,50戸(14階)~100戸(29階)の第2の集合となり,住棟としての建築体の単位となる.第3の集合はエレベーターを中心とするジョイントによって第2の集合が結びつけられたもので共用階セミパブリックスペースのネットワークが連続する集住体の生活領域が形成される.本プロジェクトではこの第3の集合を,原則として300戸の単一建設主体住戸によるものとしている.
第4の集合はオープンスペースを媒体として第3の集合ふたつによって構成されている.この集合は原則として異なったふたつの建設主体を組み合わせて,階層混合の配置としている.第5の集合は道路や各種の都市設備をジョイントとして,第4の集合6つと中心施設などの各エレメントによって構成され,団地全体としてのコミュニティを形成する.この高層団地はさらに幹線道路のネットワーク,ショッピング施設などを媒体として周辺地域へ,さらに既成市街地へとコミュニティの領域を展開していくことになる.
このようにエレメントとジョイントを明確にして順次構成していくシステムとしての考え方は,住戸住棟エレベーターシャフトなどをもより大きな部位として捉えることとなって,工業化手法に対応する標準化と展開性に関わる基本的なものであると共に,生活領域・コミュニティの形成・管理保守などのソフト面においても団地形成のシステムとして大きな意味を持つものである.
本プロジェクトにおいては,このようなシステムをベースとして,社会階層の混合・中心施設の配置・コミュニティ形成の空間の創造などの社会的環境と日照・気流・騒音・眺望などの物理的環境のバランスをとり,快適な住環境を追求した配置計画を行なった.








近隣社会△











近隣社会△

近隣社会△




近隣社会△



近隣社会△

△段階構成により社会的・物理的環境をバランスする住環境をつくる


32

7912

初音フラット

七沢基

―今はまだコミュニティを語らず
ひとつ屋根の下に,ひとりひとりの生活を持った人々が住むのは,専用住居においてさえも様々な作法・工夫を必要とする.ましてや幾組かの家族が集まって住む器には,その集まり方に積極的な意味(メリット)が見出されなければならない.集合による制約は確かに不可避だが,メリットもまたあるのである.このメリットを最大限に追求して,制約を小さくし逆転を計るのが集まって住むことの意味であろう.
すなわち施設(ファシリティ)の充実でありその積極的な共有化である.建築サイドでできることは,そこまでではないだろうか.

不明(施設の共有化以上)☆

☆施設の充実,共用化以上のCは語れない


33

7912

木下ビレッジ

大沢良二

ESTEC

この計画を始めた当初から種種雑多に流動する生活であるとか,いわゆるコミュニティとか,さらには,敷地周辺の“自然環境”などに対応し,適合させるべく計画することとかについては積極的ではなかった.それは,“建築”とは,“生活”に従属するものでもなく,また複雑な生活に対応できるものでもないと思うからである.“コミュニティ”も“建築”によってつくり出されるものでもなく,まったく別の問題と考えているからである。


いわゆるコミュニティ☆

☆“C”や生活は“建築”とはまったく別の問題


34

8007

石川県営諸江団地

藤本昌也

大地性の復権 ・諸江団地の設計を終えて・

諸江団地の住棟は,団地の3方を囲む区画街路に向かって配置され,今日の町屋にみられるような街路型住棟配置手法がとられている.
従来の団地に多くみられる住棟配置手法と異なるこうした住棟配置手法を諸江団地に採用している狙いは,街路空間を近隣コミュニティ生活の中心的な場に引き戻すことによって,団地内外のコミュニティ融合を生活機能の上でも,空間の上でも積極的に図ることである.いうなれば,その狙いは,街並みの連続性の確保と生活街路の復権にある.
従来の団地にみられる住棟配置手法では,団地内部のオープンスペースの演出に力点が置かれ,その結果,団地周辺の住宅街に対して閉鎖的となり,団地内外のコミュニティ融合を困難とする一因となっている.

金沢地方では冬期間の細街路の除雪をその街路に関わる住民の共同作業によって進める必要があるといわれている.したがって,諸江団地では,団地内外の人たちが,街路の除雪作業を共同で行ない易くするためにも,街路にそっぽを向いた住棟配置を考えることは避けなければならなかった.むしろ,隣接する木造戸建て住宅と団地の住宅とが街路を挟んで開かれたコミュニティを形成するように,住棟を街路に沿って連続的に配置する手法が求められたのである.

先にも触れたように諸江団地の住戸と街路に沿った各戸独立の玄関構えと,前庭をもつ,いわゆる町家型住戸としているのも,ひとつには,街路を挟んでの生活空間のより一層の活性化を期待しているからに他ならない.

つまり,住棟方位に対する考え方はふたつあった.ひとつは,南面住棟配置だけに必ずしもこだわる必要がないむしろ,街路景観の連続性や生活街路の近隣コミュニティ形成に果たす役割を重視すべきだとする考え方である.




社会的△
地域・社会★





近隣社会△







近隣社会△









近隣社会△

1△★街並みの連続性の確保と生活街路の復権

末端のコミュニティでは見知らぬ交通さえ合理的に排除すれば,知り合った同志の思いやりで,車と人との共存は可能だと判断されることから,諸江団地では露路状の末端まで町屋型住戸の日常的な車の利便性が確保できる歩車共存の手法を採用している.

地域・社会★

2★末端のCでは歩車共存は可能

以上のようなコミュニティグループのシンボル化の狙いの第1は,近所づきあいのきっかけとなるコミュニティの最小単位の住戸グループとそのグループの空間領域が視覚的に明確にされることによって,そのグループの親密な相隣関係が助長され,また,そのグループ領域に含まれる共用部分の共同保全がグループ人たちによる自主的な共同作業によって行われることを期待したことにある.シンボル化の狙いの第2は,このシンボルを全部集めると,そこに諸江団地全体を特徴づける新しい意味が生まれ,また,こうしたシンボル化の作業が団地のなかにある種の文化の香りをさりげなく表出する結果となって,居住者の日常生活のなかに金沢にふさわしい質の高い文化が育っていくようなきっかけを提供することにあった.

住民(グループ)□

3□Cグループのシンボル化に共同作業を期待


35

8011

茨城県営双葉台団地

藤本昌也・山下和正

イバラキA型の設計を通して

つまり,SPH中層団地を貫通する主要歩行者路―コミュニティストリートが当団地においても団地屋外の中軸を形成する形で川のようにゆったりとうねりながら引き込まれ,このストリートの周辺にいくつかの変化に富んだ中庭空間が形成されるように多様な軸を持つ住棟が配置されている.(以上解説文より)

空間の性格▲

 

1▲Cストリートを軸とした外構・配置計画

 

集合住宅団地の設計には,大きく分けて3つのクライテリアがあるように思う.(中略)第3には団地全体として生活の場として美的な調和や豊かな雰囲気がどれだけ得られているか,またいかに快適なコミュニティ生活の場となりうるかという点である.



連帯的(生活)△

2△C生活の場としての質は集合住宅のクライテリア


36

8011

ライブ・ハウス 泉ヶ丘

木村優+菊池守

相田武文設計研究所

金沢・グループ分譲・雑感

「グループ分譲住宅制度」とは,10人以上の人びとがグループを結成し,土地購入の目処がつき,設計ができあがれば,グループに変わって用地を購入し,工事を施工したうえ,できあがった住宅を,土地とともに低利・長期の分割払いで,譲渡する制度であり,住み手の計画段階からの参加が前提とされ,住宅公団の長年にわたる技術的蓄積を基盤とした上で,従来の公団の制度よりも自由度の高い集合住宅の実現が可能となり,入居後も良好なコミュニティが期待できるなどの特徴を持っている.







近隣社会・関係△

△グループ分譲住宅制度は良好なCを期待できる


37

8011

北大路高野住宅

日本住宅公団関西支社 環境・建築研究所

敷地の西側は,鴨川の支流である高野川に面しており,東側は大原道に接している.(中略)現在では,幹線道路としての役割を高野川堤の川端通にゆずり,付近住民の生活道路として,お祭なども行なわれる,重要なコミュニティ道路となっている.




空間の性格▲

1▲敷地の西側は重要なC道路

 

敷地の中央に曼殊院道を通して,大原道と結びつけ,周辺のコミュニティを連帯しうるようにした.

地域社会(社会的)△

2△道によるCの連帯

北大路高野住宅の全体戸数は120戸であり,京都のコミュニティ単位を形成する町内会,地域盆のスケールとおおむね合うので,団地全体で1カ所の集会所を設けた.

住民集団(単位)□

3□戸数スケール120=京都のC単位→集会所


38

8103

茨城県営土浦ひばりアパート

内井昭蔵

新しい中層住宅の“かた”を求めて

その後,配置に多少の工夫がなされ,中庭囲み型などコミュニティプランニングと共に中層の良さが発揮されるようになったが,中層の持つ均質性,画一性はぬぐえなかった.
私たちは,住宅の“かた”として独立住宅,低層住宅,中層住宅,高層住宅,それぞれに共通する理念のもとに再構築したいと考えてきた.それは“いかなる住宅でも基本的には独立住宅と同じ空間構造をもつべき”という理念である.

設計手法・空間の一性格▲

▲Cプランニングの従来の限界を越え独立住宅と同じ空間構造を目指す


39

8105

ドムス香里

石井修

敷地中央を貫く道路(幅4m)は「く」の字型に曲がっていて,対峙する2棟の間は緑のゾーンになっている.そこには,椋,欅,桜,楡などの樹木が植え込まれていて,いわゆる広場ではない.道路は歩行を優先して考えたものであり核湖へのアプローチは路地的な道とし,子どもたちの格好の遊び場となることを願ってつくられた.各家に作られている坪庭や中庭はプライベートなものであるのに対して,道や小さな杜はこのコミュニティの共有の庭であり,隣人相互の連繋に役立つことと思う.







住民集合□

□Cの共有の庭が隣人相互の連繋に役立つ


40

8106

ビラ・サピエンザ

本橋浩

坂倉建築研究所

この様な形での集合住宅における中庭は,単にプライバシー上の視覚的緩衝帯としての空間的広がりという意味に留まらず,集合体そのものの「核」として存在している.
私たちがビラ・ノーバおよびビラ・サピエンザで実現させた集合の概念は,ほぼ図のような形に表わされる.この場合の中庭,すなわち「核」は,積極的に居住者が使用する動的なものであり,街路→アプローチ→中庭→スリット状階段→玄関と至る間に,パブリックなゾーンからプライベートなゾーンへと住生活意識のポテンシャルが次第に高くなる.こういう一連の生活動線の中で,この中庭は,大きな一つの社会から個々の社会(家庭)へ至る間の意識の切り替え,あるいは居住者間の小規模コミュニティの形成など,さまざまな意味で重要な社会的「核」となっている.











近隣社会△

△動線の中の中庭は,小規模のC形成などの社会的「核」


41

8112

秋田県営住宅御野場団地

藤本昌也・仙田満

現代計画・環境デザイン

秋田県住宅課は次のような課題を提起,その具体的な解決を我々に求めたのであった.
そのひとつは,「健全なコミュニティ形成」の実現を図ることで,(1)多様な住宅需要に対応すると同時に均一でかたよったコミュニティを避け,健全なミックスドコミュニティを実現するために型別供給を可能にすること
(中略)
こうした委託者側の意向に我々異論のあろうはずもなく,ことに「大地性の復権」と称して,大地にまつわる諸々の固有な自然的,歴史的,社会的条件に徹底的にこだわることによってあらゆる建築と環境のあり様をイメージしようとする立場に立つ私にとっては,茨城県営住宅シリーズを「風土と建築」という観点からさらに発展させるまたとないプロジェクトとなったのである.(藤本昌也)




住民構成□

 

1□ミックスドCなど計画課題と自分の立場は一致した

東側は,分譲住宅地になっており,この住区とのコミュニティ形成を意図して,東側の住棟は西側より一層分低くした.また1連棟,2連棟の短い棟を,東側道路に対して斜めに配置することによって,住棟間の隙間を通して分譲住宅地との間に視覚的なつながりを持たせるようにした.(仙田満)

近隣社会△

2△C融合を意図して,住棟を低くした


42

8205

国立タウンホーム

田中謙次

小規模タウンハウスの意味 ―ミニ開発解消への誘導策として―

20戸から30戸単位のタウンハウス建設の場合,土地を総合的に考えることにより,およそ半分の土地が専用庭,コモンスペース,住区内道路に配分されひとつのコミュニティとしてのまとまりが可能になってきます.



住環境・領域(空間的)■

■2,30戸のタウンハウスの場合はCとしてまとまる


43

8205

東所沢(A)タウンハウス

納賀雄詞

集まって住まざるを得ないというタウンハウスにおいて,コミュニティ意識の向上はそうした共有地,つまり戸建住宅には存在しない中間的な領域によって得られるものだとも考えている.

連帯(意識)△

△集住せざるを得ないタウンハウスで,C意識の向上は共有地によって得られる


44

8305

都住創徳井町

中筋修

テクニックとしてのソフト

100戸を越したような集合の中で,全員を巻き込んだようなコミュニティなんてよほどのことがなければできる訳がない.

農村をモデルにした閉鎖的なコミュニティから人はようやく開放されて,無名性の中に埋没できる喜びを都市に見いだしたのではなかったのか.

共同社会△


共同社会△

 

1△全体的閉鎖的Cは終わった

 

人は幻想なしには生きられない.カゴの中のハムスターだって新聞をを丹念に食いちぎって居心地の良いネグラをつくるように,人も脈絡のない幻想の断片を身の回りにバリアーとしてはるのだ.都市二世・三世にとっても,こんな集合のシステムに参加するにはそれなりに動機を構成する幻想を必要とする.その断片は「モダンリビング」であり「コーラー社のバスタブ」であり「ウインクチェアー」であり,あるいは「都住創」という集合そのものであるという風に,現代の消費社会の記号群の組合せなのだ.5億円もの大事業建設の,重なりが面白い全プロセスを2年にわたって共有することによって,ようやく忙しい中年の家族もとけ合えるというようなアナクロ的な発想,米山氏的にいえば,地縁的社縁という遊びに十数家族を引きずり込むことが,都住創流のコーポラティヴ住宅の仕掛けなのだ.重ねていうがプロセスは重くて面白くなければならない.ここではコミュニティというもう一つの心地よい幻想の網を張ることも可能だ.もともと都市にはかつて貧しさを共有することで成立していた「長屋」という原モデルもあるのだから.こうして「モダンリビング」や「コミュニティ」というシミュラークルを求めて,コーポラティヴという手の込んだシミュレーションが展開されるのである.













共同社会△

 

2△Cなど幻想のシミュレーションとしてのコーポラティヴ


45

8307

千里山ロイヤルマンション3番街

遠藤剛生

この計画は,住棟形態の違いもさることながら,前面道路の通過交通量が多く現実的に同一団地としてコミュニティが形成される必然性に欠け,異なった計画としている.


住民社会△

△Cの必然性に欠け異なった計画とした


46

8404

岡山県営うらやす団地

加来照彦

現代計画研究所 倉森建築設計事務所

岡山県住宅課は,われわれに設計を委託するにあたり,次のような計画課題を提起した.そのひとつは,団地内において健全なミックスドコミュニティを実現するための型別供給を行うこと,第2に周辺の地域を融合したコミュニティを作り出すこと,第3に岡山の地方特性を生かした個性豊かな団地づくりを行うことであった.



社会構成□
近隣社会△

1□△計画課題として,ミックスドC

団地の中央に,周辺の地域の人々も利用できるコミュニティ広場や地域集会所を持つパブリックな性格の団地内道路を設け,全体を南北60戸ずつの大きなブロックに分けている.

空間の性格▲

2▲周辺住民可,C広場や地域集会所を持つ団地内道路,60戸づつに分ける


47

8405

泉北三原台タウンハウス

中島龍彦

大阪府住宅供給公社 中島龍彦建築事務所

また,街路から主要通路を通って専用庭,住戸へと徐々にプライベートの度合いを高めるように方向づけた空間構成も,新たなコミュニティを形成することを容易にすると考えられる.


住民の連帯△

△方向づけた空間構成はC形成を容易にする


48

8406

レイクタウン屋形原

泉裕之

竹中工務店

コミュニティとは単なる住戸の集合ではない.人々がそこに住まうことによって,新しい活動が生まれ育まれる住環境である.それはお互いに顔見知りとなれる様々な機会(チャンス)を内包した住環境でなければならない.顔見知りとなり,様々な機会を与えていくもの……それはくらしの息づく“みち”によって形づくられるであろう.一団地の扱いとしたこの計画は,豊かなコミュニティの形成にポイントを置き“みち”空間を導入した.すなわち,メインゲートから広場へ,さらにとおりを経て,路地空間から玄関先までの空間生活において,顔見知りのコミュニティの広がりをはかるとともに,いわゆる向こう三軒両隣りの親密さに昇華することを考慮した.このために歩車分離を完全に行ない,せせらぎ・街灯・ベンチ・砂場・ジョギングロードなどを配し,四季の香漂う緑豊かな外部空間を確保している.外観は黒色の石綿瓦葺きの屋根と聚楽色の外壁で構成し,周囲の緑に沈ませた.バルコニーや庇にも,繊細な表情を持たせた.重なる棟の織りなす光と影の美しさは,設計当初から意図したものである.

住環境■




近隣社会△


近隣社会△

■△C=豊かな住環境→みち,緑豊かな外部,屋根,ハバルコニー,庇,重なる棟

 


49

8505

つくば・さくら団地

三井所清典

住宅・都市整備公団 アルセッド建築研究所 千代田設計

いわゆるコモンアクセスの形成をとっている.しかもこのコモンは住棟で囲まれたコモンで,この団地に生活している人たちの領域感をもっている.ここは誰でもが自由に利用できる公共空間と,特定の人しか入れない私的空間の中間的空間で,集会場とともにコミュニティ活動や意識の醸成に役立ち,居住者の目が行き届くことから防犯にも役立つように設計している.




自治(活動)△

△コモンアクセス,集会場はC活動や意識の醸成,防犯に役立つ


50

8510

兵庫駅西住宅

太田隆信

神戸市住宅局住宅部建設課 坂倉建築研究所大阪事務所

そういう厳しい場所だからこそ,それではいけない,せっかくの,これだけのスケールの外部空間を,なるべく多くの人々に喜んでいただける豊かな緑のスペースにと,集合住宅計画を越えた,緑の市街地再開発,さらに,北側の舗床された部分には,児童館,都市公園などの施設も建設されることになり,緑に覆われたコミュニティプラザを目差して積極的に計画に取りくんだ.





空間の性格▲

▲緑に覆われたCプラザを目差した


51

8603

ユーコート(洛西コーポラティブ住宅)

梶山秀一郎

京の家創り会設計集団 洛西コーポプロジェクトチーム

この会は「買う住まい」や「住まわされる住まい」から,住み手が主体となって共同で住まいをつくり,共同でコミュニティを育てていく住まいづくり,まちづくりへの転換を果たす方式として,コーポ方式による住まいづくりを運動として普及させることを目的とするものである.


住民社会△

△コーポラティヴ方式を普及する会


52

8607

広島市営庚午南住宅

住宅特集

増山敏夫 江川直樹

現代計画研究所

敷地の長手である南北の道路沿いに街並み景観を形成させつつヒューマンなコミュニティ・スペースとなる東西ふたつの中庭を囲む配置をとった.


空間の性格▲

1▲景観形成とCスペースとなる中庭を囲む配置

外壁は白亜と土壁色のリシン吹付けが主であるが,外構の壁体との連続性をつけ,風土的なコミュニティ材料として地元の杉間伐材を加工した特殊型枠コンクリート打放しにクリア塗装した素朴なマチエールをもうひとつ加えた.屋根の素焼きに近い赤瓦も風土的なコミュニティ材料として用いている.

「風土的」の言い換え▲(空間をつくる材料ということで「空間の性格」に準ずる)

2▲風土的なC材料


53

8712

島原市営柏野住宅

住宅特集

石野治

長崎総合科学大学石野研究室

コモンスペースに面した北側住棟の1階は高齢者の住まいとなる畳敷きの茶の間や,埋込型浴槽を持ったこの住戸は,コミュニティコアであるコモンスペースに直接面し,専用庭の生け垣や木戸を通して水辺でにぎわう子供たちや若い母親との日常的な交流を誘発する.高齢者人口比率が,他都市より高い水準にある島原でのひとつの提案である.


場の(中心)▲

▲コモンスペースによる高齢者との交流の誘発


54

8807

中新田町営並柳住宅(HOPE計画)

針生承一 田村宏治

針生承一建築研究所 みちのく設計

配置計画では,西側の既存コンクリートパネル式の町営住宅群と共有できるように,集会室,野外劇場,藤棚広場といった地区全体のコミュニティ施設ゾーンを設けた.このゾーンを連結しながら敷地内に鮎の里の鳴瀬川をイメージ化した大通り(人と車の共存道・コミュニティ道路)を設け,ここから東西軸に横町,南北軸に小路,さらに住戸間の露地へとオープンスペースを連続させている.


空間の性格▲

空間の性格▲

▲町営住宅群と共有できるC施設とC道路


55

8903

桂坂の住宅 東CED・中央CED

住宅特集

内井昭蔵

集合のメリットを住環境に還元する

通常の建て売り住宅とは異なり,積極的なコミュニティの創成と環境の調整を目的とした住宅であって,CEDと命名されている.CEDとはコミュニティ・アンド・エンビロメント・ディベロッピング・システムの略である.

しかし,その開発地の大部分は宅地分譲,あるいは建売り住宅であって,これらのコミュニティや環境の育成,質の向上を図ることはかなり困難なことと言える.CEDディベロッパー自らが考えている開発地の環境とコミュニティの質をコントロールするための拠点開発と言うことができる.

地域社会(社会的)△

地域社会(社会的)△

 

1△Cと環境を目的とした住宅開発CED

このCEDも思想的には全く同一の基盤に建つものだが,25年前の社会情勢とは大きく変わり住宅の質,コミュニティ意識も向上し,まさに隔世の感を禁じ得ない.


環境・社会(に対する意識)★

2★25年前に比べ住宅の質,C意識が向上


56

8907

シティパル武蔵野

福田悟

坂倉建築研究所東京事務所

しかし,メインエントランスから玄関までしっかりガードされ監視される都市型の集合住宅は違い,ここでは,街区の中で孤立することのない郊外型の集合住宅として,地域に開いた構成のなかで自然と居住者相互の視線に守られたコミュニティができることを期待している.




空間,場■

■開きつつ居住者相互の視線に守られたCができることを期待


57

8909

エルシー糀台・1

住宅特集

松林祐爾

神戸市住宅供給公社 坂倉建築研究所大阪事務所

この中低層住宅と高層住宅の間のオープンスペースは,住民の歩行者専用のストリートとこどもの遊び場やイベントの場となる広場からなり,緑豊かなコミュニティゾーンとしてしつらえた.
高層住宅はもともと階段とエレベーターを核とした3住戸のコミュニティ小広場を持つ高層独立棟であり,3棟建てられており,フライングコリドール(空中廊下)で結ぶという発想から出発している.最終的には諸条件より3棟が一体となり雁行状となったが,住棟コミュニティの場をつくること,独立棟のメリットである3面外気に面すること,LDは2方向開放とすること,片側廊下はフライングデッキとして住戸の解放感を得ることなど,できる限り追求している.



空間の性格▲
空間の性格▲


住民集団の交流△

▲△中低層と高層の間,緑豊かなCゾーンと,高層住棟のコミュニティの場など


58

8910

特集:家と環境を結ぶもの  コモンでつくる住環境

住宅特集

宮脇檀 二瓶正史

雪国の人々の雪に対する憎しみに近い思い入れは,私たちには観念としてしかわからない.けれども,私達が知るかぎりにおいては雪の被害を少なくするための雪かきや,屋根の雪下ろしが多大な労力や近年では金銭的な出費を強いられながらも,一方ではそれが被害者同士の共同作業もやむなくさせ,その中から向こう3軒両隣の関係を生み育ててきたことも否定できないように思えた.日頃私達が提唱しているプロトタイプとしてのコモンを持った住宅地は,どうやってコミュニティ意識が生み出されるような環境をつくるかという手法であるのだから,このマイナス面をプラス転換できるかも知れない雪を放って置くわけに行かない.(前沢パークタウン 雪をコミュニティづくりの媒体にする 宮脇檀)







連帯(意識)△


住民社会△

1△共同作業・意識を誘導するコモン

占有地の専用使用というかたちで,個人が自己所有の土地を全く自由に使用できるという従来型の土地使用に対して,占有地であるがコミュニティで共用する部分をつくろうという考え方である.マンションやタウンハウスが持ち込んだ区分所有という概念が一般化し始めているのだから,戸建て住宅地にも適用できるはず.共有性が強すぎるマンションでは限りなく戸建てに近くというかたちで住戸の独立性を高め,占有性の強すぎる戸建て住宅地では限りなく共有性の部分を増加させる.それによって個が集合して住むというこの住まい方の中での個と全体のバランスを整合させようというのが狙い.(新しい切り口・コモン 宮脇檀)


住民集合□

2□占有地を共用することで個と全体のバランスを取る

化粧舗装された道路に従って,2戸1パーキングで宅地がとられ,コミュニティが形成され,各コミュニティごとにリニアパークに抜ける緑道も取られている.

広場型・道路型コモンの混在によるコミュニティ
(星田アーバンリビングB1地区 土地の環境条件を読んで,様々な宅地造成手法を混ぜる 二瓶正史)

住戸群の単位■

3■形成された各コミュニティごとにリニアパークに抜ける緑道

民の敷地内をいじるだけでも大変なのに,お上が厳然と管理者として君臨している道路内を触れるはずがないというのが従来の常識であった.事実,今でもその傾向は強いけれど,車優先の道路の規定にボンエルフやコミュニティ道路という新しいコンセプトが導入されて,私たち民も少し道路が触れるようになった.(道路も外構もまだ使える    宮脇檀)




空間の性格▲

 

4▲道路も民が触れるようになった

さらにこれらのコミュニティ道路,ポケットパーク,フットパスなど,すべて移管することができ,現在は地区協定と共に日野市の管理下にある.(高幡鹿島台ガーデン54 全面的ボンエルフ道路の理想的な開発計画が許認可 二瓶正史)

空間の性格▲

5▲C道路などはすべて移管された


59

9002

アウローラ

住宅特集

大塚聡介

黒沢隆研究室+早見プラザ一級建築士事務所

1970年代のその論議を通じて黒沢研究室では,次のような展望に辿りついていました.
1)集合住宅をもって,コミュニティの形成を目指すことを,長期の見通しとする.これにはメンタルの課題も含まれる.
2)当面の課題としては集合することによる施設的なメリットをあくなく追求する.
3)集合住宅においても,住戸設計に当たっては『住宅の逆説』規格を踏み外さない.
当然と言えば当然,「個人用居住単位」を中心とする一群の集合住宅の中で,少しずつファミリータイプも混入しながら,この展望に近づいてきたつもりです.
(中略)
バルコニーなどの物干しをご遠慮願い,主要な開口部には統一ブラインドなども吊り,こうしたことを通じて,共同体としての集合住宅の形成を目指しています.



社会(共同体)△

△Cの形成を長期目標とする


60

9003

コモンビレッジ移瀬

住宅特集

有村桂子

Team Zoo いるか設計集団+直原令子建築研究室

斜面地のコミュニティ

集落や町並みの美しさのひとつのエレメントは,地形の文脈に無理なく従いながら,同質の材料を様々に変化に富んだ使い方をしているところにあるのではないだろうか.変化に富んだ使い方それ自身は,古くからの伝統や,コミュニティの決まり,材料の持つ限界や性格によって定められてきたのだろう.




住民集団□

□集落の美しさの一因は材料の限定


61

9005

多摩ニュータウン第15住区 10・11BL

住宅特集

藤本昌也 大屋広康

現代計画研究所

10,11ブロックは共に,コミュニティプロムナードともいえる15住区の中心軸を形成するスーパーペデ(歩専道)に同じレベルで接する比較的小さなブロックであり,(中略)このような立地条件から市街地型集合住宅を基本テーマとし,ライトコート型,トリプレックス型など以下に述べるいくつかのタイプの提案を行った.

空間の性格▲

1▲周囲の歩専道を受け,市街地型集合住宅を基本テーマとした

 

各住棟は階段と一体化した5m×5mの中庭空間を内蔵し,これを核として8~10世帯の住戸集合で基本単位を形成している.この中庭空間は単なるライトコートではなく,各住戸の居間開口がとれる広さを持っていることから,上下階の住戸も含めた積極的なコミュニティ交流が可能な空間「ミニコモン」となっている.




住民の連帯的(交流)△

2△中庭はC交流のミニコモン


62

9005

多摩ニュータウン第15住区 3BL

住宅特集

三井所清典

アルセッド建築研究所

第3ブロックの空間計画には5つの重要な要素がある.第1はコミュニティのまとまりのための広場である.活動的な使い方のできる広場で,住区の人々が何かと集まって,催し物を行うことを期待している.広場は中層住棟がまわりを囲んでいるので,建築による圧迫感がない.不整形な形は,地形に従っているためで,その形が丘の上の都市広場を強調している.

住区住民□

□広場に集まり,活動を期待


63

9005

多摩ニュータウン第15住区 6BL

住宅特集

神谷宏治

お互いのプライバシーを守りながら,共用庭としてのコルテを小規模なコミュニティ空間として活用しうるとすれば,コルテの意義は高められるだろう.


空間の性格▲

▲C空間として活用しうるとすれば,コルテの意義は高められる


64

9005

特集 南大沢ジートルンク 多摩ニュータウン第15住区の実験

住宅特集

内井昭蔵

マスターアーキテクトとしての役割とデザインコード

マスターアーキテクトは長い期間にわたってこの計画地に対し責任を持ち,コミュニティドクターのように環境を育てていくといった役割と制度が保証されてより完全な機能を発揮しうるのではないかと思う.


環境■(地域を担当する医師から転じて住環境の調整役としての意味で用いている)

■マスターアーキテクトとしての役割


65

9010

GARDENIA矢部

住宅特集

森義純

市街地の密集した中に,小規模な集合住宅を設計する機会が増えている.これらの設計においては,敷地外の周辺環境との連携一体をはかるよりは,自己完結型で,個人主義的閉鎖性をもって新しい魅力を加味した空間を作り出さねばならないようである.
(中略)
計画地周辺は中層の共同住宅群と老朽化した低層独立住居が混在する流動過程にある街並みである.このような状況下にあっては,周辺との調和融合を前提とした計画よりは前述のように,マイコミュニティを独自に確保形成する計画が適合されよう.








(完結した)空間■

1■この状況下ではマイCを独自に確保形成する計画が適合

中庭演出の中心はシンボリックにそびえ立つエレベーターホールと両翼に位置する外階段,これらを結ぶ外廊下である.これらは夜間においても常夜灯により照らし出され,中庭全体を強く浮かび上がらせ,空間の個性を明瞭にしている.これは単に内なるものにとどまらず,外の環境にもインパクトを打ち出して貢献していると考える.また,これらはマイコミュニティ意識を強く入居者にアピールするものと期待している.






(自分の)空間という(意識)■

2■中庭の演出は入居者にマイC意識をアピール


66

9102

上賀茂社家町の集合住宅

住宅特集

西村征一郎

歴史的景観を継承する集合町家の試み

このような景観や歴史の残る敷地における集合住宅の計画は並大抵ではない.それらは,1)私領域の住環境の確保とコミュニティ構成やセキュリティという都市における住居計画の一般的問題,

1.集まって住むこと
現代社会において,”集まって住む”必然性はいったい何であろうか.都市の文化や文明,経済の集積を享受するため,生活の利便性,安全性,生産や趣味の共同目的等々,様々な要素が指摘されよう.しかしわが国の現状の住居計画に限ってみれば,その集住の前提はほとんど経済性にあるといってよい.その上で初めて,コミュニティ形成やプライバシーの確保などの計画上の常用のキーワードが成立している.
コーポラティブ住宅に評価が定着しないのも,通常のマンション供給でなにが問題であるかと開き直るのも,この経済性が前提にある事による.コーポラティブ形式の戸建て住宅地における合意形成が集合住宅に比較してうまくいかないのは,自己占有部分を供出してまでコミュニティ広場など不要というような本音による.広場さえつくればコミュニティが生まれるという安易な住居計画も反省すべき点が多い.私的領域や,住戸の表裏を明確にした骨格が重要であり,セキュリティの確保などの共通目的がかなえられるコミュニティ・スペースのほうが説得力がある.

・住戸計画
周辺の近隣環境,樹木や小川の位置,コミュニティ規模,さらに不動産販売上の制約から,計画戸数を6戸とした.
(中略)
計画当初,これらの住戸配置,平面を前提に,主として各戸内部空間の利用方法,仕上げ,設備,家具などを中心に,コミュニティのあり方にいたるまで,入居者と話し合いながら施工図を作成していく方針を立てていた.残念ながらそれは途中で挫折し,最終的には空間のゆとりは用意したものの,予算枠内での,いわゆるマンション使用の域を出られなかったとの指摘は免れない.しかし,様々な制約の中で,歴史的景観を積極的に取り込みながら,限りなく戸建てに近い多様な都市住宅の集合を意図したものである.今後とも,わが国における「集住」のあり方を追求していきたい.


住民集団□







住民のまとまり・連帯△





共用,空間の性格▲

連帯性△

共有,空間の性格▲



住民集団□



住民集団□

□△▲集合住宅の一般的課題


67

9106

モーニングパーク主税町

山縣哲夫・池田節夫

鹿島建設 KMD

建物はほぼ正方形を成す敷地に南北2棟を配し,この2棟が取り囲む中庭を中心としてコミュニティが生まれることを期待している.


住民の連帯性△

△中庭を中心としてCが生まれることを期待


68

9106

世田谷ヴィレッジ

住宅特集

大野勝彦

都市型中層ハウジング計画 ・世田谷ヴィレッジ・

本来,共用部分をみんなで使うことでコミュニティが形成されるハウジング体を「共同住宅」と呼ぶべきである.住戸とアクセスしかないマンションが出現して「集合住宅」という言葉になってしまったが,いつの間にそうなってしまたのかな,などど考えている.
ともあれ子供たちの生活共同体ということがあって,

連帯・共同体(社会)△

△共用があってこそ「共同住宅」


69

9107

芦甲館

住宅特集

大江匡

“カギリ”と“ウツロ”の手法について

芦甲館は,JR芦屋駅の南側に建つ,賃貸を目的とした11戸の集合住宅である.この付近は,低層の集合住宅と一戸建ての住宅から街並みが構成されているが,この中に新しい集合住宅が挿入される場合,既存のコミュニティとの間に柔らかい関係が要求される.それは地域に活動を起こすような地縁的なものではなくて,むしろ都市的な人間関係のように“淡交”ともいうべき静かなものである.この集合住宅の構成も,こうした関係を踏まえて構想された.




住環境■
(以下にあらわれる「人間関係」は比喩によるものと判断した)

■既存のCとの“淡交”のような関係を構成


70

9109

熊本市営新地団地A

鴨下勉 早川邦彦

公共住宅設計顛末記

また住戸以外の施設としては集会室(265m2)と私たちの提案による身障・高齢者を対象としたコミュニティスペース(348m2)により全体は構成されている.(鴨下勉)(以上解説文)

さらに,プログラムで要求された集会室以外に,私たちが提案した,老人,身障者を対象としたコミュニティ施設や集会室前の水深15cmプールなど,共有領域をいかに多様にそして豊かなものにしていくかということが,反復から多様性へということとオーバー・ラップしてこのプロジェクトを支えるものとなった.人々は反復=画一化というシステムの檻の中に住むことは決して好ましいとは思わないであろうし,集まって住むという形式を成立させているのは豊かで充実した共有領域の存在にかかっているからである.(早川邦彦)


空間の性質・施設用途▲



空間の性質・施設用途▲

▲集まって住むという形式を成立させているのは豊かで充実した共有領域の存在


71

9111

小さな共同住宅

住宅特集

稲塚二郎

こうした機能的条件と,周辺環境の状況を踏まえデザインを進めていく中で留意した点は大きくは次のように要約される.
(中略)
4 楽しいコミュニティを形成する上で,共通の生活コアとなる外部空間を作る.




近隣社会△

△C形成に共通の生活コア外部空間を作ること


72

9112

石岡南台アパート/松代アパート第1期

大野秀敏

大野秀敏 三上建築事務所 アプル総合計画事務所

都市型集合住宅

第3は,団地という物的な集合形式は村落の集合とは異なり,閉鎖的なコミュニティーとは無縁であるという当たり前のことと関連している.全く見ず知らずの人たちが集まり,それぞれが団地外の集団に属しているのであり,排他的で求心的なコミュニティー形成を強要するのではなく,多様で選択的な人の触れ合いを誘発することだけが必要で十分なことである.


共同社会△

共同社会△

△団地には排他的でない触れ合いが必要十分


73

9204

高崎市営住宅・東貝沢天水団地

住宅特集

前鶴謙二

菊竹清訓建築設計事務所

住棟は全て南向きとし,南北に採光,換気の開口部を設け,自然採光・通風の中で生活できるようにした.1住棟は一般的に合意が得やすいコミュニティ単位の10戸を基本とし,各住棟間の見え方等を模型などでチェックして配置を決めていった.住棟内,住棟間の動線は日当たりがよくコミュニティの充実を図るものとなるように南面に設定し,その装置として2階南面にオープンテラスを設けた.これは,2階上部住民の通路,交流の場となるとともに,1階住民には軒としての機能を持たせる.



住民集団□

相互作用△

□△住棟単位10戸と南面廊下,テラス

 


74

9204

鶴亀タウン

住宅特集

高口恭行

高口恭行・延藤安弘・大石義一+造家研究室

市の話では,人口4万の市としては例になく申込み人気が高く入居済みの住民のコミュニティ活動は市中で最も活発.各種の催しにおいて「鶴亀タウン」のゼッケンが活躍しているとのことであった.ハードは終わり,これからわれわれが期待したソフトの鶴亀が始まることになる.


自治(活動)△

△住民のC活動は市中で最も活発,期待したソフト


75

9206

アルディア・ヌーボ

住宅特集

新居千秋

アルディア・ヌーボ ・「新しき村」を考える

■高齢者社会に対する提案
a:ノーマライゼーション(中略)ライフケア住宅の各施設はロビー,ラウンジを中心に配し,高齢者の利用を考慮して動線を短くし,アトリエホールでは上の階に行くために斜路を設け,歩行訓練的な機能を果たすとともに,図書コーナー,ギャラリー,コミュニティの場としての機能を持たせた.





交流(コミュニケーション)△

1△ホールに意図したCの場としての役割

 

■都市型住居を目指す
b:公共空間への配慮と自成型のガーデン……良い建物の定義とは共有部分をできるだけ開放することであり,そのパブリックな部分のデザインやコンセプトやソフトがしっかりしていることだと思う.そこで住み手の共有する空間をどれだけ地域のコミュニティにもオープンできるかを考えた.
街並みを形成するために建物を道路側に寄せることと同時に内部にできるだけ自成型のコミュニティガーデンを取って,大きさは4,300坪で,実質的に細切れになっていない部分で2,000坪ある.





住民□


空間の性格▲

2□▲広場の開放と規模


76

9206

ヒルサイドテラス

槙文彦

時と風景―東京へのオマージュ

我々が都市においてパブリック的なものと言うとき,それはどこまでもその空間性のいかんによって,その質が規定されるべきものなのである.巨大都市は,ときに小さな都市や集落にない圧倒的な空間を提供し得る.しかし都市のパブリックなスペースは,群集やコミュニティのためにだけ,その存在理由があるわけではない.その本質のひとつは人びとに都市における孤独性の享受を確証する場でもある.この様に様々なレベルにおけるパブリック的な空間とその意味性が重層的に現われるとき,われわれは都市空間の豊かさを獲得し得るのである.




地域社会・住民集合□

□ハパブリック空間と意味性の重層→都市空間の豊かさ


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9206

熊本県営保田窪第1団地

山本理顕

空間配列論 <閾>という概念について

この団地は熊本市の中心部から多少東にずれた場所にある.大きな幹線道路からも離れているため,周囲は交通量も少なく,静かな住宅地となっている.
このような地方都市の住宅地にも中高層のマンション建設は進行しつつある.ワンルームマンション等が生む既存のコミュニティに対する弊害はここで繰り返す必要はないと思うが,住環境は確実に変化している.このような状況の中で,商品としての住宅という経済原則から比較的自由な立場にある公営住宅にこそ新しい住環境を提案できる可能性があるのではないだろうか(以上解説文より)

住環境および社会★

1★住環境変化の中,公営住宅にこそ住環境を提案できる可能性がある

何がパブリックで何がプライベートなのか,あるいはプライバシーとはあるいはコミュニティとは,そうした問いに答えることがきわめて困難なのである.
プライバシーやコミュニティという言葉,あるいはパブリックやプライベートという言葉,これは明らかに人間と人間との関係に関わる抽象的な概念だと私たちは思っている.そして,その抽象概念が空間化されることによって,初めて現実化というのか可視化される.つまり形式化されるわけであるだから困難だというのは,二重の意味において困難なのである.プライバシーやコミュニティという理念に対する評価の困難さと,その理念が空間化,建築化されるときの手続きの困難さである.プライバシーやコミュニティという概念を抽象的な理論のレベルで語ることは確かにできると思う.理念として評価することもできる.でもその抽象概念を空間化,建築化するには,またもうひとつ別の手続きが必要なのだと思う.空間に関わる理論である.抽象概念を空間概念に移行させる理論である.
このあたりは今,実に曖昧になっているように思う.私たちはあまりに無防備であるように思えるのである.コミュニティの理念について語り,プライバシーについて語りながら,それが突然に瓦屋根の集合住宅になったり,あるいは伝統的な壁の素材や,どこかのヨーロッパの集合住宅の様式を採用したりと,情けないほど無防備なのだ.ひとつの理念が空間化されるときの移行の手続きが明瞭になっていないからである.(中略)
私たちは私たちはパブリックやプライベート,あるいはコミュニティやプライバシーについて語るけれども,実はこうした概念について語るということが,すでに空間との関係について語っているのではないか.つまり空間との関係で記述しない限り記述しようがないのではないかという疑問である.プライバシーやコミュニティという抽象化された概念なり理念が先にあってそれが空間化されるのではなく,もともとプライバシーやコミュニティという概念そのものが空間的な概念なのではないのか.
「何がパブリックで何がプライベートなのか」とい問いと,「何がパブリックな空間で何がプライベートな空間なのか」という問いの境界など,もともとあり得ないのかもしれないのである.
いい方を変えればパブリック,プライベート,あるいはコミュニティ,プライバシーなどという,集団と個人にかかわる概念は,少なくとも空間化されない限り現実化されないといってもいいように思える.そして,空間化される,というのは,空間と空間との関係に置き換えられる,ということである.だとすれば,現実的な問題として,パブリック,プライベートあるいはコミュニティやプライバシーについて記述しようとするなら,それは空間の配列との関係として記述する以外,記述する方法がないのではないかという疑問である.(中略)
もしパブリックやプライベートあるいはコミュニティ,プライバシーなどという概念がもともと空間に関わる概念であるとするなら,こうした概念そのものを空間に関わる言葉で説明できるはずである.
単純化していえば,パブリック,プライベートあるいはコミュニティ,プライヴァシーという概念は,空間的な概念である.つまり,何者かに対して開いている,あるいは閉じているという空間との関係として記述することができる.そして,開いている,閉じているというのはその境界の物理的な性能や素材の話ではなく,空間相互の関係のことである.すなわち空間の配列のことである.
こういってしまうと,なんだかあまりに単純で気が引けるのだが,要するに,開いている,閉じているという状態を空間の配列の問題として記述できるのかどうか,ということなのだと思うのである.

住宅=家族が揺るぎないユニットであるという幻想を私たちは共有している,でもそのユニットの集合をまたひとつの集合として記述するには,どういう方法があるのだろうか.
ふたつあるように思う.ひとつは,集合全体に対してひとつの<閾>を準備するような配列である.もうひとつは,それぞれの住戸自体が集合全体に対する<閾>であるような配列である.共にひとつの閉じた空間を作ることができる.どちらが正しいというわけでもないと思うのだが,前者は住戸の集合全体をひとつの<閾>によってコントロールするような,きわめて強力な管理システムをイメージさせる配列である.たとえばかつての封建制的な共同体のシステムである.それに対して,後者の配列によって作り出される閉じた空間は,それぞれの住戸の自主的なコントロールによって実現されている.
特に今回のような公共の集合住宅には,前者のような配列のシステムはほとんど不可能であるようにも思う.もし住戸の集合を単なる和集合として扱わない,つまりそれ自体をひとつのユニットとしうる可能性があるとすれば,たぶん,各住戸が<閾>であるような配列のシステムではないのかと思われる.
「保田窪第1団地」は,だから各住戸がそれぞれひとつの<閾>になるような配列のシステムを採用している.この110の<閾>によって閉ざされた中央広場がプライベートな空間であり,各住戸がパブリックな空間であるというような,従来の方法とは全く逆転した配列になっているのは以上の理由によっている.110戸の住戸の集合をひとつの自律的なユニットとして構成するための空間配列である.因に,中央広場という,<閾>によって閉ざされた空間,つまり最もプライバシーの高い空間を巡る関係をコミュニティと呼ぶ.

ある概念を示す言葉☆














































































空間の性質・属性▲

2☆▲プライバシー,Cは<閾>の空間配列


78

9206

熊本市営新地団地B(第2期)

太田黒弥栄

緒方理一郎建築研究所

すべての階段は住棟に挟まれたモール状の広場に直結し,人々の動線を分断せず呼応する空間をめざした.ふたつの住棟は相似形をもちながら,それをとりまく環境によって対照的な内部空間を持つ「ひとつがいの建築」である.モールは住民達のイベント,子どもたちの遊び場,日常的なコミュニケーションの舞台となる.階段ごとに培われたコミュニティは,モールに降りてくることでより大きなコミュニティに変わり,その力が新地団地全体の住民や近隣の住民を引き寄せてゆく.団地は単に多くの住戸が集合しているだけでなく,多くの人々が集まる楽しさを引き出す装置でなければならない.モールが住民の舞台なら,階段はそれを観る桟敷でもある.

すべての階段は住棟に挟まれたモール状の広場に直結し,人々の動線を分断せず呼応する空間をめざした.ふたつの住棟は相似形をもちながら,それをとりまく環境によって対照的な内部空間を持つ「ひとつがいの建築」である.モールは住民達のイベント,子どもたちの遊び場,日常的なコミュニケーションの舞台となる.階段ごとに培われたコミュニティは,モールに降りてくることでより大きなコミュニティに変わり,その力が新地団地全体の住民や近隣の住民を引き寄せてゆく.団地は単に多くの住戸が集合しているだけでなく,多くの人々が集まる楽しさを引き出す装置でなければならない.モールが住民の舞台なら,階段はそれを観る桟敷でもある.

 






住民のまとまり△

△階段C→モールC→団地・近隣C


79

9301

熊本県営保田窪第1団地/XYSTUS

住宅特集

山本理顕

住宅,そして家族とは

上野 社会学者は空間を媒体のひとつと捉えます.空間もヒューマンリレーションの媒体のひとつだということは認めます.でもそれしかないと思われたら困ります.
山本 それはそうですね.空間も選択肢のひとつとして捉えればいいわけですよね.私は空間の有効性というのか,ある場所を共有することの有効性に今でも期待していますけど,でもその場所もさまざまな関係の中のひとつの選択肢にすぎない,ということなんだと思います.場所を共有することにこそ価値がある,あるいは地域性のようなものにのみ価値があるという話になると,コミュニティに価値がある,さらには共同体に価値があるという話に一直線につながっていってしまう.









住民の連帯性△




△場所の共有や地域性はひとつの選択肢における価値にすぎない


80

9304

コープタウンアーサヒルズ

安原秀

ヘキサ

コープタウンアーサヒルズ計画一部始終

最も密度の低い中央の部分に中央広場とコミュニティホールを予定し,できれば緑道を隔てた隣接の公団用地の将来計画に際して,広場を連結させて欲しいと公団に提案した.

共用,施設の性格▲

1▲Cホールと広場の連結の提案

そこでコーディネーターサイドから管理のみならずコミュニティサービスも行う独立した組織を管理組合の出資のもとに設立することを提案し,基金の積み立てもできている.

地域住民に対する(サービス)△

2△Cサービスを行う組織の提案


81

9307

用賀Aフラット

早川邦彦

ゾーン・装置 そして集住体

共有領域:用賀Aフラットの外部共有領域(コート)は,視覚的には道路側からパブリックに開放されているが,一般の人々はガラスのスクリーンに隔たれ,入ることはできない.その点で<アトリウム>や<ラビリンス>,さらに<熊本市営新地団地A>等の,入居者以外のひとびとにも開かれていた共有領域とは異なっている.それは,入居者をアーティストやデザイン関係に限定することにより,一つの共通した枠を設けているということによる.
さらに,ここの地下には50人程度を収容する共有のホールがある.8住戸という規模からすれば,通常の面積配分と大きく外れる空間が確保されていることになる.自分たちが住む住戸へのみ向けられた意識だけでなく,内外にわたり豊かな共有領域を自分たちが所有しているという自覚ないしは認識が共有されたとき,集まって住むという形式が成立するのであり,そしてその共有認識が,場へのある種の帰属感(共同体(コミュニティ)意識とは異なる)を発生させるものとなる.














共同体(意識)△








△共有のホール→共同体意識とは異なる場への帰属感


82

9404

第二大地の建築

高崎正治

21世紀型コミュニティ構築に協働する集合住宅

都市においても,地方においてもコミュニティ崩壊という事態への予見は,深刻な社会問題として議論の俎上にあった.ことに過密化が引き起こす土地高騰など切実な住宅事情に喘ぐ都市においては,効率的な住空間の提供という名目による集合住宅の林立が地域空間の閉塞的環境を誘発しコミュニティ崩壊に加担していた.
そこに建つべき地域空間の自然環境,人間環境と有機的に協働し,コミュニティ再構築に機能する集合住宅のあり方を追求した原案であったが,それから10年を経て完成をみた今年,奇しくも,多様な論点から家族のあり方が問われる<国際家族年>であることは,具体的に形態を思考する過程において,コミュニティを構築する最小コアの家族のあり方,住まい方への問題提起が頻出され,その研究を尽くさなければならなかったことと有意義に符合する.
時代と共に進化する都市.かつてコミュニティが機能していた時代に比して,その緊密な進化に映し出される人間像の変化は,人間と都市,人間と建築の有機的関係を思考する者にとっては憂えるべき現況といわねばなるまい.目指すべき都市像は,目指すべき人間像の成熟に向けて描かれるものでありたい.個室化やオートロックシステムなど<閉じられた>領域や形態によって,個の自立が果たされるという誤認が,そのような領域での孤立を深め,隣人を遠く隔てるコミュニティの崩壊への要因ともなった.

地域社会・隣人との関係△

1△C崩壊と再構築,家族・住まい方

 

さらには,<閉じられた>領域と<開かれた>領域とのバランスのよい配合に提供される家族それぞれの自立と共生のための住環境での住まい方への変革を核に,新しい時代に求められるべき新しいコミュニティ構築に挑む提案である.



地域社会・隣人との関係△

2△<閉じられた>領域と<開かれた>領域とのバランス→新しいC

この<山>という見立てはまた,コミュニティ再構築に機能する集合住宅は終の住処に耐え得るものでなければならないことを,永遠にそこに動かざる<山>に託して表明している.

この家族の領域でどのような文化がつくられ,どのような人間関係が育つかが,コミュニティ再構築の基層の課題であり,<第二大地の建築>はその住まい方への変革を説かずにはいられないだろう.

地域社会・隣人との関係△

 

3△C再構築を永遠に動かざる<山>の見立てで表明


83

9406

(仮称)上高田集合住宅計画

谷内田章夫

ワークショップ

建物は4つのブロックに分けられ,中心の中庭に向かい合い,共有空間を囲い込むようなかたちで配置されている.開口は外周と中庭に向かって大きくとられている.各住戸は中2階のレベルにある中庭のテラスから階段を通じてアプローチされ,プライバシーを妨げられることなく開口部が開けられ,集合することから生まれる活気あふれる雰囲気やアメニティが生かしながら,通常の集合住宅にはとりにくい通気性や開放性を確保しようとしている.コミュニティとプライバシーのバランスを規模は小さいながらも取ろうとしている.
この計画では,屋上中庭・通路の外部スペースに植栽・テーブル・ベンチなどの共有の場を規模に応じて細やかに用意している.内および外に開かれ,自然と親しめる都市型集合住宅である







空間の性格▲

▲Cとプライバシーのバランスした集合住宅


84

9407

熊本市営詫麻団地

坂本一成

関係性をデザインする-「熊本市営詫麻団地」の設計をめぐって

坂本:(中略)今松永さんがおっしゃったように,既存の団地はとても落ちついた雰囲気で,ひとつのコミュニティを形成しながら周りの街並みとも連続感を持っていた.こうしたことから,この空間の連続感を大切にして,なおかつ住民の生活自体も時間的に継続できないかと思ったわけです.


空間的まとまり・領域■

■空間の連続感と,生活の時間的継続


85

9408

財田町営住宅・宮尾団地

住宅特集

磯野達

磯野建築事務所

中央に団地内道路と一体となったコモンスペース(幼児遊園・集会室)を設け,住棟で囲むことで,コミュニティ意識を盛り上げるような構成とした.


連帯(意識)△

△C意識を盛り上げる配置構成


86

9409

茨城県営松代アパート

大野秀敏

大野秀敏 三上建築事務所 アプル総合計画事務所

近代の集合住宅計画で,もうひとつ大きな問題がある.それは,集合住宅のひとつの住棟の居住者という集団に社会的なつながりはなく,移動手段と通信手段が豊富な現代社会ではコミュニティの重要性はきわめて低い.であるのに建築的には強固なまとまりが与えられているという問題である.



地域社会(社会的)△

△Cの重要性は低いのに建築的にまとまる集合住宅


87

9411

エクセル米喜/PATIO/BEL AIR

住宅特集

山中玄三郎

都市の街区を構成する-ミディアムスケールからの発想

都市における,戸建てから集合住宅への劇的な移行が始まったのは1970年代であった.『都市住宅』が発刊され,欧米のタウンハウスが数多く紹介されたのもこの頃である.集まって住むことの意味が問われ.集合住宅のメリットやデメリットが議論され,それらを表現する建築的な手法が模索された時代であった.われわれの夢は,集合住宅の設計を通して失われつつあったコミュニティに対する意識を覚醒させ,それをテコに新たな住環境のユートピアへと向かわせたのであった.こうした流れの中で注目を浴びたのはアトリエ・ファイブによる「ハーレンの集合住宅」(1961)に端を発した,低層型の集合住宅であった.

また一方では,道路や,外階段,廊下,駐車場といったサーバントスペースを,いかに魅力的にするかといった努力も営々と続けられてきた.建築家のコミュニティに対する思い入れは,これらのサーバントスペースの中に,何とかコミュニティをつくろうと,悪戦苦闘してきたのである.
しかしコミュニティという言葉すらすっかり手垢にまみれてしまった.サーブドスペース最優先の効率主義は画一的なプランに墜ち込み,ベンチや広場をつくればコミュニティが生まれると考えるのもまた幻想である.

これらのスペースは,サーブドスペースやサーバントスペースからまったく孤立した第3の空間なのである.この空間には,所有の概念や機能の概念は存在しない.その集合住宅そのものを象徴するシンボリックなスペースである.

集合住宅にアイデンティティを与え,住み手の共通の話題になり,そこに住まうことに対するある種のシンパシーを感じさせる空間,それこそが集合住宅におけるシンボリックスペースである.






地域社会・共同体△







共同社会・住民の連帯性△

コミュニティという言葉☆
(意味は冠していない)
共同社会・住民の連帯性△

△☆Cは建築家の幻想,第3の空間シンボリックスペース


88

9411

多摩ニュータウン 南大沢学園一番街

住宅特集

増山敏夫

現代計画研究所

ふたつの弧が交差する要の位置に住区施設であるコミュニティセンターを置いた.

施設の性質▲

▲要の位置にCセンターを置いた


89

9411

多摩ニュータウン蓮生寺公園通り一番街,二番街,三番街

住宅特集

保坂陽一郎

住宅・都市整備公団東京支社住宅事業第一部 保坂陽一郎建築研究所

蓮生寺の集合住宅・起承転結

既存植生が残されている蓮生寺という名の小高い丘を,ぐるりと一回りする道路には,コミュニティ・コレクター・リング・ロード(CCR道路)という機能が与えられている.

地域・街区■
(街区を繋げる環状道路)

■周辺状況CCR


90

9411

特集:多摩ニュータウン

住宅特集

鎌田一夫 藤本昌也

鎌田一夫 藤本昌也 保坂陽一郎

住むための都市をいかにつくるか

鎌田 (中略)また,ライブ長池地区である12住区と13住区では,生活幹線道路であるCCR(コミュニティ・コレクター・リング)を通してふたつの住区をつないでいます.

地域・街区■
(街区を繋げる環状道路)

1■周辺状況CCR

藤本 街というのは確かに,時間がつくっていく大切な部分がありますね.
一度にすべてつくってしまうのではなくて,そこに住む人たちにとっていちばん必要なものは何かをじっくり考え,それを後からつくっていくようなやり方はないのだろうか.たとえば,コミュニティ・リザーブ用地を確保しておき,基金もつくっておいて,要求が高まったときにはじめて施設をつくるようなやり方はできないか.コーポラティブをやっていると,どうして今そこまで決めてしまわなければいけないのかという意見が出てきます. 





住民集団□
(住民の共有財産として残しておく用地)

2□C・リザーブ用地の提案


91

9504

幕張ベイタウン パティオス1番街

喜多徹夫

三菱地所開発設計部

都会に住む意義は究極的には生活の利便性,多様性,時間効率,文化の享受にある.引き替えに良質な自然環境とコミュニティが失われがちとなる.街区の設計に当たっては,これに歯止めをかけ,さらに再生を図るために,多様な場の創出と,人に優しいシンプルで知的な品位のあるデザインを心がけた.


連帯性△

1△自然環境とCを再生する場の創出とデザイン

住戸形式は過半が片廊下式のものとなったが,デザインはそれぞれのロケーションに応じ多彩なものとなった.2重壁でデザインされたN棟の片廊下,プロムナードの賑わいを助長する開放的で軽快なW棟,広場性の高いコミュニティ道路に面した落ちつきのあるS棟,眺望を意識して2面採光としたE棟.

空間の性格▲

2▲周辺状況に合わせた4方向それぞれのデザイン


92

9504

幕張ベイタウン パティオス2番街

山下昌彦

GL建築設計

中庭を設計したタダシ・ヤマグチの提案は,S棟コミュニティルームの前に円形のステージ型の広場スペースをもうけ,これを中心とする同心円のパターンでまとめるという力強いものだった.

共用(ルーム)>空間の性格▲

▲ヤマグチの中庭の設計提案


93

9505

Little Rock Village

住宅特集

黒沢隆

さて,今日の集合住宅の課題なのだが,コミュニティの形成,住み得るユニットの確保,集合することによるメリットの追求,と私たちは考えている.従ってこの30坪の狭い平凡な土地では前記の課題を満たすのは大変難しく思った.黒沢研究室の場合,「せいびグリーンビレッジ」(羽田),「コワン・キ・ソンヌ」(方南町,jt8703)と進化を重ねてきたワンルーム系のユニットを,ここでも採用することで答えるしかなかったのである.

住民のまとまり・連帯△

△今日の集合住宅の課題(Cなど)


94

9505

茨城県営もみじが丘アパート

三宮健司

内井昭蔵建築設計事務所+横須賀満夫建築設計事務所

われわれは計画にあたって次のテーマを設定した.
・高齢者と若い世代のコミュニティの形成.
・周辺環境(戸建住宅)との調和,共存.
・変化に富んだ空間,場所の提供.
・落ち着きとゆとりを感じさせる空間づくり


住民集団□

 

1□計画課題:高齢者と若い世代のCの形成

県と公社の敷地分割は,全体を斜めに蛇行する,コミュニティ道路を設けおのおのがそれを共用することで一体化できるよう考えた.さらに,戸建て住宅側への圧迫感を少しでも減らすためにこのコミュニティ道路に沿って柔らかな表情をもつ低層の曲面住棟を配置した.この住棟では通り抜け階段を工夫し,各戸へのアプローチに変化を与えるよう試みた.

空間の性格▲

2▲C道路による融合と曲面住棟


95

9507

ハスネ・ワールド・アパートメント

住宅特集

塚本由晴

塚本由晴+貝島桃代+竹内昌義

アパートメントの文脈から

「集合住宅」の文脈において,議論の中心をなすのは家族や共同体のあり方である.

「集合住宅」とは,擬似的ではあれ消費を通した社会階級の分節に対応している,アパート・マンション・団地,公営・民営,更に賃貸・分譲という違いをとりあえず括弧に入れて(御破算に願いましては),共通の平面で比較することを前提にした概念である(「集まって住む」とは,そのときに呼び出される還元主義的な物語ではないか?).このおかげで,社会階級の分節という,価値体系に関わる面倒な問題から自由なところで,建築家は建物を設計することができるのである.

個人の価値観をためらいなく表現する,こうした感受性の広がりは,特に住むこととかかわる建築のあり方と無関係ではないはずだ(設計作業の半分ぐらいは,カタログ通信販売のようなものであることだし).
しかし,このことと「集合住宅」の家族論,コミュニティ論というのがすれ違ってしまうもどかしさがある.基本的には消費構造への批判であるnLDKの見直し議論もその距離を詰めきれていないように思う.むしろ家族論,コミュニティ論とは別の還元力も,集合住宅にはおよんでいるといったほうがよいだろうか.

アパートやマンションというのは,現実にはこうした価値体系に関わる問題群に,放り込まれるように出現しているという点に,先に述べた「集合住宅」による括弧入れが,いま現在100%有効なのかと疑ってみる可能性を感じる.それは,ひとつの価値体系の中での善悪よりも,複数の価値体系の関係に,関心を移行させることである.

だいたい,貸事務所と駐車スペースが付いた10人程度が住むためのアパートに,家族論もコミュニティ論もあったものではない.

そのために,「集合住宅」という計画学的な括弧をはずしてみる.するとアパートの文化領域を成立させているテクスト(計画学や,賃貸物件の商品性も,その一部を構成している)を媒介に,空間構成,構造,設備,照明,色彩,素材などの複数の計画水準が引き寄せる,もの/情報群が浮かび上がる.これが,先に述べた情報の場である.ここには,家族論やコミュニティ論にとってはあまり重要でない微妙なもの/情報も含まれる.

















コミュニティという言葉で語られてきた内容(共同体(論))☆

☆複数の価値体系の関係に関心を移行させること


96

9509

熊本市営新地団地D

西岡弘

■手を加えない空地が時間や季節を映す
(中略)
この空間は,共同体意識誘発のための広場ではなく,遊ぶ子どもたちの影の長さや飛び交う赤とんぼの群によって時間の推移や季節の移り変わりを知る風景として設けられている.中途半端に私有可能な空間を作ることはコミュニティ意識の醸成以上に雑然としたわがままで仮設的個人領域を作り出すことに荷担するだけである.都市的住まい方では建設当初の美観を維持するためには,こうした曖昧な空間の排除もやむを得ない.ここでは,一定の均質性の中に美観を保つことを考え,このような空地を設けたのである.






連帯(意識)△

△均質性の中に美観を保つ空地


97

9510

六甲の集合住宅 ・

安藤忠雄

庭を望むようにして公共に開放されたプールと高齢者浴場を納めたコミュニティ施設が配される.低層のコートハウスは,中庭を連続させ「道」によって結びつけられる.かつてのI期において試みられた公共空間としての「道」の復権が,あるいは・期において提案された広場の導入がここにおいてさらに重ね合わされていくことになる.斜面に対して垂直に上っていく動線と,斜面に対して平行に横切っていく動線とが,広場で交錯することによって立体的な公共空間が展開していく.

施設の性質▲

▲C施設など→立体的な公共空間


98

9512

長野市今井ニュータウンA工区

住宅特集

新居千秋

そのうえ,地区全体に対する景観,空間構成を配慮し,さらに4者の住棟が空間的にもひとつのまとまりを保ち,街区単位のコミュニティの形成が可能な形を考えるというとても難しいものであった.各住棟は4層で1階の北側に外部通路をピロティ状に取り住棟間を庇や回廊で連絡することにより各住棟を回遊する通路を形成した.


空間的まとまり■

 

1■計画課題としての街区単位のC

そしてこの通路と住棟により囲まれた中庭をコミュニティスペースとした.

共用(スペース)▲

2▲中庭をCスペースとした


99

9603

VORTEX-21 Shiki

住宅特集

若林広幸

特に最近のような,販売競争の激化は,購買層の幅を広げるという意味において,不特定多数を対象とした無難で没個性な住空間を生産する結果となり,結局質の低い中途半端な商品が市場に溢れてしまっている.マンションはコミュニティであらねばならない.いずれにせよ価値観を共有する個の集住が,理想的なコミュニティを形成するのだ.そのためにも空間は没個性であってはならない.




住民社会△
住民社会△

△マンションはCであるべきで,空間は没個性であってはならない


100

9603

熊本市営新地団地E

上田憲二郎

農家のオープンで気軽なおつきあいと,町家的なプライバシーとのほどよい調整のため,1ユニットは3戸を3層に重ねた直方体とし,その一部は大きい格子で囲われた共有の屋外空間がある.2ユニットが階段を共有することで,向こう三軒両隣的な親密なコミュニティとなる.階段室組が路地に向き合って,もう少し大きなグループとなり,団地として,通りのコミュニティへとつながることを期待している.
格子は単なる細い柱と梁であるが,内と外を暗示する見えないスクリーンである.内部では3戸の共有空間であり,外部からも庭のようなものと認識される.住戸内の生活や物干しなどのプライバシーもスクリーンの内側にあることでお互いに暗黙の境界で守られたような気になる,外に開いてはいるが,坪庭のような使い方が望ましい.住戸は10m角を9分割し,その4桝を屋外空間とし,残り5桝のL字型プランである.




近隣社会△

近隣社会△

 

1△三軒両隣→通りのCのつながりと屋外空間

 

各室は二面開口で通風,採光に有利である.片面は路地に面しコミュニティを認識し,他面では広場や外部空間を見ることができる.平行した住棟配置では,前も後ろも隣の棟が見えるだけであるが,ここでは異なった多様な風景が前後に広がっているのである.

地域・周辺環境■

2■住棟配置,開口計画とコミュニティに対する認識


101

9605

幕張ベイタウン パティオス10番街

小沢明

小沢明建築研究室 中村勉総合計画事務所 大野秀敏+アプル総合計画事務所

街区住宅としてのパティオス10番街

現在進行中の幕張パティオス街は,街区そのものが集合住宅であり,そこに建つ建築自体が街区に相当する.言い換えれば建築化した街区,街区化した建築の集合がこの街の特徴である.このような今までにない街づくりが進む中で,パティオス10番街は新都心住宅地のほぼ中央にあり,将来つくられるコミュニティ・コアと都市広場そして近隣公園という公共性の強い場所に面している.





近隣地域(の核)>空間の性格▲

1▲公共性の強い場所に面した10番街

M1,M8街区の都市デザイン方針
(略)もうひとつは,コミュニティ路に関連する方針がある.特に小学校と近隣公園に向かうコミュニティ路については,単断面の歩車道をわずかに蛇行させ,それに沿って植えられた景観樹と使用した舗装材料がそのまま大通り(富士見通り)を横切ることによって4街区に視覚的な連続性と一体感の生まれることを意図している.そして将来コミュニティの成熟する段階で,街路解放が可能なように,予めいくつかの取り決めがなされている.すなわち時間制導入による車両通行の遮断と広場化を想定して,各街区は必ず,車の出入口を2カ所設け,一方が閉鎖された状態でも支障のないように計画することがひとつのルールとして決められた.


空間の性格▲




地域社会△

2▲△C路による連続性と街路解放計画


102

9607

岡山県営中庄団地第2期

阿部勤

アルテック建築研究所+岡山県設計技術センター設計共同体

住まいの原景から集住を考える

歩き回る
(略)少し足を延ばしての散歩,最近ブームになっているウォーキングや中高年の山歩きも,単に体のためでなく,歩き回ることにより人や自然に接し,そこにコミュニティが生まれ情報を得,自分の属している社会を確認することにより安らぎが得られるなど,心とのかかわりも大きい.

このように人間の生活は単にプライベートスペースに止まらず,パブリックスペースとの間のセミプライベートスペース,セミパブリックスペースといったスペースにはみ出し,そこをテリトリーとして内化し内を共有するところにコミュニティが生まれ,快適な心やすらぐ生活環境が生まれると考えられる.このプロジェクトではこのような生活環境の創出を意図している.




連帯性・交流△






連帯性・交流△

△生活のはみ出し共有にC,生活環境の創出を意図


103

9608

CPSハウジング

渡辺真理+木下庸子

設計組織ADH

CPSハウジング 新しい家族形態を受容する集住体

私たちは主にデンマークとオランダを対象とする調査旅行に出かけたが,その理由のひとつとして「コハウジング」(コレクティブ・ハウスという名称でも知られている)という集住形式に興味を引かれたことがある.「孤人」の住まいと,調理を共同化したコミュニティとのどこに接点があるのかという意見もあろうが,血縁関係に替わり得る新しい家族形態について知ることは,(家族ではなくて)個人をベースとする生活環境づくりを模索する私たちとしては,きわめて重要に思われたのである.

この結果,コハウジングのコミュニティはC,P,Sを用いたダイヤグラムで簡単に表記されることになる.一般的な集合住宅の場合も,このコモン要素が最小限かゼロに近いことさえ斟酌するなら,同じダイヤグラムのヴァリエーションとしてとらえることができる.

コハウジングのコミュニティに対してC,P,Sという概念を用いたモデル化を試みたが,このCPS概念はコミュニティ内の住戸のモデル化にも適用できることがわかる.




共同生活体の社会と空間★




集住体★




集住体★
集住体★

★CPS概念の空間構造


104

9610

CORTILE 三宿

住宅特集

中山克己

そして,各住戸から「中庭」の雰囲気を感じることができるような開口部計画をすることで,居住者のコミュニティに対する関心が高まることを期待している.
(中略)
楽しげで暖かみのある「中庭」が居住者のコミュニケーションの場となり,さらには,その雰囲気に引かれて立ち寄る人たちともコミュニケーションが生まれるようになるのでは…….そんな建物をつくることができたと思っている.


近隣社会△

△開口部計画にCに対する関心が高まることを意図

 


105

9610

ヒルサイドコート(コージュ東山)

住宅特集

森俊偉

森俊偉+ARCO建築・計画事務所

地に住まい,空に住まう ・都心のミニハウジング

またファイバーグレーチング製の半透明の大きな皮膜スクリーンによって公道と隔てられた共用のコートヤードは,通風,採光,といった居住条件を整えつつ都心の静けさを確保し,同時にこの小さなコミュニティを縦につなぐコミュニケーションの筒としての役割も担っている.ゲート,アプローチ,階段,廊下,ポーチ,玄関へと移行する道筋は,迷路性を帯び,閾の空間の連なりとして,外から内に至る過程において徐々に公私の逆転を促すよう,きめ細かいヒエラルキー構成を施している.



社会・空間★

★小さなCを縦につなぐコミュニケーションの筒